2017年4月 6日 (木)

3月29日(水)のDinner Time Tastingは初めて元住吉Osteria Boccanoにて開催致しました。

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テーマ:イタリアワインの多様性~DOCG基本編~

イタリアワインの多様性があるといわれるのには、以下の要素が大きく影響されると考えられる。
ヨーロッパ(フランス)と比べて、イタリアは、3つの海に囲まれている。標高の高い山があり、風が吹く。
山:アルプス、イタリア半島の背骨といわれるアペニン山脈、シチリア島まで続く
海:アドレア海、テレニア海、イオニア海
風:アルプスからの冷たい風、アフリカ大陸からの熱い風(シロッコ)、海からの風


今回は、ブドウ産地の気温と降雨量を比較してみます。
その前に、1年間のブドウ育成について触れます。
北半球で考えますと
1月、2月:ブドウの樹は休眠中 <=剪定
3月~5月:発芽 (10℃を超えると萌芽)、展葉
     ※この時期に雹が降ると新芽や葉にダメージが起こり発育不良
6月、7月:開花 (開花から7日間で結実)
     ※この時期に雨が降ると花ぶるいが起こり結実不良
8月、9月:果粒肥大、色づき、成熟
9月、10月:収穫 (開花から約100日で収穫 ※開花が早く成熟が遅いものもある。アリアニコなど)
11月、12月:落葉、休眠

ブドウの発育には、以下の温度と雨量がよいとされています。
気温は、年平均気温10~20℃ ただし、ワイン用10~16℃
    開花期15~25℃、
    着色、成熟期は、20~25℃かつ日中寒暖差が大きい
日照量は、1300~1500時間(開花から収穫までの約100日間) 緯度が高い方のが有利(太陽が沈むのが遅い)。
降雨量は、年間降雨量500~900mm 日本1000~1200mm

今回の産地(北から南へ)
ピエモンテ州(トリノ):5番目のワイン:バローロ
 年平均気温11.8℃、年間降雨量917 mm
 発芽時の平均気温11.5℃
 着色、成熟期3か月の平均気温17.2℃、平均寒暖差10.3℃
ロンバルディア州(ミラノ):1番目のワイン:フランチャコルタ
 年平均気温12.5℃、年間降雨量944 mm
 発芽時の平均気温12.3℃
 着色、成熟期3か月の平均気温18.2℃、平均寒暖差10.3℃
ヴェネト州(ヴェローナ):6番目のワイン:レチョート・ディ・ソアーヴェ
 年平均気温12.6℃、年間降雨量822 mm
 発芽時の平均気温13.6℃
 着色、成熟期3か月の平均気温16.7℃、平均寒暖差10.7℃
トスカーナ州(フィレンツェ):3番目のワイン:キアンティ・クラッシコ
 年平均気温14.6℃、年間降雨量912 mm
 発芽時の平均気温13.5℃
 着色、成熟期3か月の平均気温20℃、平均寒暖差12.7℃
カンパーニア州(ナポリ):2番目のワイン:フィアーノ ディ アヴェッリーノ
          4番目のワイン:タウラージ
 年平均気温15.4℃、年間降雨量1007 mm
 発芽時の平均気温14.8℃
 着色、成熟期3か月の平均気温19℃、平均寒暖差10.7℃

ちなみに
フランスボルドー
 年平均気温12.5℃、年間降雨量897 mm
 発芽時の平均気温11.8℃
 着色、成熟期3か月の平均気温16.8℃、平均寒暖差11.0℃
フランスブルゴーニュ
 年平均気温10.6℃、年間降雨量732mm
 発芽時の平均気温10.1℃
 着色、成熟期3か月の平均気温15.7℃、平均寒暖差10.0℃
日本北海道余市
 年平均気温7.9℃、年間降雨量1353mm
 発芽時の平均気温5.7℃
 着色、成熟期3か月の平均気温16.3℃、平均寒暖差10.0℃
日本山梨県勝沼
 年平均気温14.5℃、年間降雨量1081 mm
 発芽時の平均気温13.2℃
 着色、成熟期3か月の平均気温21.9℃、平均寒暖差10.3℃
日本長野県佐久
 年平均気温11.1℃、年間降雨量961 mm
 発芽時の平均気温9.3℃
 着色、成熟期3か月の平均気温18.9℃、平均寒暖差10.7℃
日本神奈川県横浜 ワイン産地ではないが
 年平均気温16.1℃、年間降雨量1689 mm
 発芽時の平均気温14.1℃
 着色、成熟期3か月の平均気温23.1℃、平均寒暖差6.4℃

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※画像をクリックで拡大します。



今回はワインでどれがお好きですかのアンケートをしました。

(投票は1人6回まで。22名の参加者でしたので、ワイン名の隣に人気度を記述しました。)


【今回のワインリスト】
①ワイン名:フランチャコルタ・ブリュット NV DOCG 人気度(7/22名)
メーカー:ラ・モンティーナ社
産地:ロンバルディア州
ブドウ品種:シャルドネ85%、ピノ・ネロ15%
醸造:繊細で丁寧なプレスした複数のヴィンテージの異なるキュベから造られます。ボトル詰め後 約30ヶ月間発酵熟成。 12.0%
特徴:輝く麦わら色。柑橘系、洋ナシの果実の香、白い花の香りとイースト香り。
   きれいな酸味があり余韻も長くエレガントな味わいの辛口スパークリングワインです。
料理:アンティパスト、シーフード料理に合わせる

②ワイン名:フィアーノ ディ アヴェッリーノ 2014 DOCG 人気度(5/22名)
メーカー:トッリチーノ社 (アツィエンダ・アグリーコラ・トリッチーノ)
産地:カンパーニア州
ブドウ品種:フィアーノ100%
醸造:収穫は10月始めに行われる。醗酵はステンレスで行い16~18度で25~35日と長めに行う。熟成もステンレスで行い、瓶詰後翌年の春頃から出荷。 13.0%
特徴:輝きのある明るいレモンイエロー。洋ナシや温度が上がるとトロピカルフルーツの香り。
   味わいは柑橘系フルーティーさとミネラル、苦みもあり、フレッシュさがアフターテイストまで残る辛口白ワイン。
料理:春野菜のフリットや魚介料理に合わせる。

③ワイン名:キアンティ・クラッシコ 2014 DOCG 人気度(19/22名)
メーカー:テヌータ・ディ・ビッビアーノ社
産地:トスカーナ州
ブドウ品種:サンジョヴェーゼ97%、コロリーノ3%
醸造:ブドウは通常9月後半から収穫を始める。セメント製の発酵槽の中に果皮や果肉ごとブドウ果汁を入れて約20日間発酵。続いてセメント製の発酵槽の中で熟成させた後、瓶内で3ヶ月熟成。 13.5%
土壌は、アルベレーゼと呼ばれる非常に粒が細かくぎっしりと詰まった石灰石の土壌と、ガレストロと呼ばれる砂利もしくは石を含んだ石灰質に富む粘土質土壌。
特徴:鮮やかなルビーレッド色からガーネットも出はじめている。チェリーやプルーンの熟した果物の香りとスミレのフローラルな香り、シナモンの香りもあり複雑である。
   活き活きとしたほどよい酸味とシルキーなタンニンを持ち、ミネラルもありエレガントでバランスのとれた赤ワイン。
料理:サラミなどの前菜、チーズ、イノシシ肉のハーブと赤ワイン煮込みに合わせる。

④ワイン名:タウラージ 2011 DOCG 人気度(15/22名)
メーカー:スクオット社
産地:カンパーニア州
ブドウ品種:アリアニコ 100%
醸造:ブドウは、樹齢15~20年で手摘みの収穫、醸造は225lのバリックで12か月。瓶内熟成24ヶ月。  14.0%
特徴:濃いルビーレッド。ドライのイチジクやブラックチェリー、白コショウの香り。
   凝縮した果実味と酸とのバランスがとれ、きめ細かいタンニンとスパイシーさも加わり複雑な味わいの赤ワイン。まだまだ若い。
料理:ジビエのローストや肉のグリルに合わせる。

⑤ワイン名:バローロ 2011 DOCG 人気度(14/22名)
メーカー:デマリエ社
産地:ピエモンテ州
ブドウ品種:ネッビオーロ 100%
醸造:マセラシオンを長めに行い、ステンレスタンクでアルコール発酵。その後2年間60~80hlのスロベニアオークの大樽で熟成。瓶熟は最低6ヶ月間。
   サンタマリア・ディ・ラ・モッラ地区の標高210メートル。南西向きの日当たりの良い斜面で石灰粘土質土壌。 14.0%
特徴:輝きのあるルビーレッドでガーネットも出はじめている。スグリ、レーズン、タバコ、ドライローズのフローラルな香り。
   凝縮した果実、シルキーなタンニン。骨格がしっかりとしたバランスのとれた味わい。余韻にも熟した果実の香りが残るエレガントな赤ワイン。まだ若い。
料理:牛肉、ジビエ、熟成したチーズに合わせる。

⑥ワイン名:レ・コロンバーレ レチョート・ディ・ソアーヴェ 2011 DOCG 人気度(14/22名)
メーカー:ピエロパン社
産地:ヴェネト州
ブドウ品種:ガルガーネガ 100%
醸造:完熟度が最も高く健全な果粒のみを選び、丁寧に手摘みで小ケースに収穫し乾燥室に運び、収穫年度の翌年春先まで自然の気候条件の下、乾燥させる。
   除梗、ソフトプレスし2500lのガラスで内張りしたセメントタンクで14~18℃に調整し、アルコール発酵。2500lのオーク樽に移し替え、約2年間熟成。
   瓶熟は最低6ヶ月間。 優良年のみ造られる 12.5%
特徴:琥珀色に近い黄金色。熟した果実、ドライアプリコット、蜂蜜の香り。
   きれいな酸味もあり心地よい甘味が余韻にもつながり、うれしくさせる魅惑的な甘口白ワイン。
料理:アーモンドなどナッツを使用したデザート、ジェラート、青かびチーズに合わせる。

(瀬戸)

【今回のお料理】

Amuse : Insalata di nervetti 仔牛アキレスのサラダ仕立て~サルサヴェルデ

フランチャコルタと。

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Antipasto : Antipasto misto alla Campania カンパーニアの前菜の盛り合わせ 

白ワイン1本目のフィアーノに合わせて。

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Primo(1): Pappa al pomodoro con porpetta di pollo パッパアルポモドーロ 大山鶏のポルペッタ添え

Bibbianoのキャンティ・クラシコ2014と合わせる

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Primo(2): Sartù di riso サルトゥ ナポリ風お米のティンバッロ

タウラージと合わせて。

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Secondo: Brasato di manzo al Barolo ピエモンテ風~国産牛ほほ肉のバローロ煮込み

非常にエレガントな、デマリエのバローロと。

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お世話になったオーナーシェフ野口さん(左)とボッカーノの皆さん

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IVS Japan法人会員でもあるボッカ―ノの野口シェフの素晴らしく贅沢な内容のメニューとワインを皆様で堪能致しました。皆様、ご参加誠にありがとうございました。

IVS Japan事務局

2017年3月16日 (木)

【テーマ】:トスカーナ州のワイン第2弾

マレンマ、モンテクッコ周辺とヴィーノノービレ

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今月は、先月の「①キアンティDOCG、②キアンティクラシコDOCG、④ヴェルナッチャ・ディ・サンジュミニャーノDOCG 」より海側の産地のワインの飲み比べになります。

海からの影響がワインにどのような風味を与えるのでしょうか。

【気候】
海岸部:今月のマレンマ地方は非常に暑いが、内陸部のスカンサーノ、ビティリアーノでは昼夜の温度差があり、やや冷涼。海風と内陸からの風の組み合わせが、丘陵地にそれぞれの微気候をつくりだしている。


内陸部:先月のキアンティやキアンティ・クラッシコ地区も比較的冷涼。今月のモンテプルチアーノ地区は、モンタノンチーノに比べ、ティレニア海の影響を受けないため冷涼である。

【産地】

・マレンマ トスカーナDOC
マレンマ地方は、ティレニア海に近い西トスカーナのグロッセート郊外(トスカーナ南西部)から南のラツィオ州にかけて広がる地域です。
=>マレンマ・トスカーナDOCには、ボルゲリは含まれない。

1980年代頃から次第に注目され始めましたが、よく名前を聞くようになったのはここ10年くらいでしょうか。

元々は大きな湖を含む湿地帯で、20世紀に入ってからムッソリーニによって干拓されましたが、未開墾や休耕地が多い土地でした。

しかし、それが逆にブドウを植え替えたり、新しく植えたりするのに好都合となったようです。
特に、アンティノリ、フレスコバルディ、ガヤといった著名生産者らがマレンマに進出したことで新生産地としての注目度が高まりました。

・モレッリーノ・ディ・スカンサーノ(Morellino di Scansano)
グロッセート県、南部グロッセート近郊にあり、粘土比率が高い土壌である。
80年代以前はブレンド用のワイン産地であったが、2006年、モレッリーノ・ディ・スカンサーノDOCGとして認定。
サンジョヴェーゼ(サンジョヴェーゼのクローン:モレッリーノ種): 85%以上。
その他、トスカーナ地方の推奨品種/許可品種のアロマ付きでない黒ブドウを15%まで使用することができます。

・ヴィーノ・ノービレ・モンテプルチアーノ(Vino Nobile di Montepulciano)
シエナ県にあり、内陸に位置し気候的に厳しい産地のため、古くからワインは造っているがプルニョーロ・ジェンティーレ種(サンジョヴェーゼ)100%では難しい。そのため、プルニョーロ・ジェンティーレ種(サンジョヴェーゼ)70%以上で他の品種を混醸している。
ブレンド品種としてカナイオーロ・ネロは20%までで、サンジョヴェーゼを和らげる役目をしている。
その他品種も20%までで、今回のワインは、「コロリーノ種」で色調を補う役目、「マンモーロ種」でスミレの香りを加える役目をしている。
これらの品種がブレンドされている。
土壌は、ガレストロ(泥灰土がミルフィーユのように何層にも重なった土壌)と粘土質である。
近年、地球温暖化の影響でプルニョーロ・ジェンティーレ種のみで造れるようになってきている。再度、注目されてきている産地である。

余談として国際品種、新樽小樽熟成等DOC法の規則にとらわれない品質向上のための製法で造られた最高級ワインを造りたいという生産者、ジャコモ・タキス氏、カルロ・フェリーニ氏、ルカ・ダットーマ氏等フランスの醸造技術を知りつくした有名エノロゴが台頭しスーパータスカン(Super Toscana)と呼ばれるVdT(ヴィノ・ダ・ターボラ)やIGTという格付けでありながら、高品質のワインを造った。
1992年 IGTというカテゴリを設けた。
1994年 ボルゲリDOCの規定変更が行われた。
それまでは、白とロゼが認められていたが、CS、M、Sgを用いた赤も認可した。
また、サッシカイアをボルゲリのサブゾーンとして単独でDOCに認可した。
先駆者的存在のテヌータ・サングイード社のサッシカイア(カベルネ・ソーヴィニヨン)
オルネッライア社のマッセート(メルロ)
アンティノッリ社のティニャネッロ(サンジョヴェーゼ主体+カベルネ・ソーヴィニヨン)

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【本日のワインリスト】

①ワイン名:サンジェルヴァジオ ローザ エクストラ ドライ スプマンテ NV IGT
メーカー:サンジェルヴァジオ社
産地:トスカーナ州
ブドウ品種:サンジョヴェーゼ 100%
醸造:樹齢平均10年の有機栽培でのサンジョヴェーゼを使用して、セメントタンクで発酵後、シャルマ方式で約1か月の2次発酵
   瓶熟3か月。4.5気圧 11.5%
特徴:鮮やかなピンク色。赤系ベリーの果実の香、塩味のミネラルを感じる香り。
   活き活きとした甘さが残る果実味と酸とのバランスが取れた辛口のロゼ スプマンテです。
料理:アンティパスト、シーフード、ピッツァに合わせる

②ワイン名:マレンマ・トスカーナ・ヴェルメンティーノ 2015 DOC
メーカー:テヌータ・サッソレガーレ社
産地:トスカーナ州
ブドウ品種:ヴェルメンティーノ 100%
醸造:ブドウは9月上旬に収穫。ステンレスタンクで発酵。ステンレスタンク5か月間のシュールリーして造られる。 13.5%
特徴:輝きのある緑がかった麦わら色。粘性は中程度。華やかなレモン等の柑橘の果実香が主体。タイムやローズマリーなどのハーブ香り。
味わいは豊かな果実味と伸びやかでしっかりした酸味を持ち、塩味のミネラルと若干の苦みが料理と合わせやすい白ワイン。
料理:アンティパスト、シーフード、焼鳥(塩)や豚料理に合わせる。

③ワイン名:マレンマ・トスカーナ・サンジョヴェーゼ 2014 DOC
メーカー:テヌータ サッソレガーレ社
産地:トスカーナ州
ブドウ品種:サンジョヴェーゼ 100%
醸造:ブドウは9月中旬から下旬に収穫。ステンレスタンクで発酵。その後全体の70%をスラヴォニア産大樽で、30%を旧樽のバリックで熟成させ造られる。13.5%
特徴:若干淡いルビーレッド色。中程度の粘性。野イチゴやダークチェリーのような果実の香り、スパイスの香りも合わせ持つ。
味わいはふくよかで豊かなる果実味を持ち、やわらかな酸味と程よいタンニン分が口の中で一体となり、みずみずしい爽快な赤ワイン。
料理:生ハムやサラミなどの前菜、焼鳥(たれ)に合わせる。

④ワイン名:モレリーノ ディ スカンサーノ 2014 DOCG
メーカー:アイアヴェッキア社
産地:トスカーナ州
ブドウ品種:サンジョヴェーゼ 100%
醸造:畑は、マリアーノ イン トスカーナにあり、発酵後。ステンレスタンクで熟成。 13.0%
特徴:ルビーレッド。プラム、すみれのフローラルな香り。
   活き活きとした酸味と果実味のバランスがよく、緻密なタンニンでやさしく軽快な味わいの赤ワイン。
料理:肉料理、ピッツァ、パスタに合わせる。

⑤ワイン名:ヴィーノ・ノビレ・モンテプルチアーノ 2012 DOCG
このラベルに描かれている人はメディチ家の親戚にあたり、メディチ家の中でも一番賢く教養があることで知られているMargherita de' Medici(1612-1679)と深い絆で結ばれていたといわれる人で、名前は不明だそうです。この肖像画が選ばれた理由は、この肖像画のように歴史を感じさせ、さらに気品と教養を感じさせるインパクトあるワインを表現するため、ということです。
メーカー:ファットリア・デル・チェッロ社
産地:トスカーナ州
ブドウ品種:プルニョーロ・ジェンティーレ(サンジョヴェーゼ)、コロリーノ、マンモロ
醸造:発酵後、30%はフレンチオークの小樽(バリック)で12ヶ月熟成後、スラヴォニアン産大樽で6ヶ月熟成、70%はスラヴォニアン産大樽で18ヶ月熟成させて
います。その後、短期間ステンレスタンクで寝かせ、約6ヶ月の瓶内熟成を経て出荷。  13.0%
特徴:鮮やかなルビーレッド。ブラックベリー系の果実の香りに、リコリスのようなスパイスの香り。
   まろやかで、シルキータンニンが心地よく、余韻にわずかに残る甘酸っぱさがあり、優美な味わいの赤ワイン。
料理:ジビエのローストや肉のグリル、熟成したペコリーノチーズに合わせる。

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IVS Japan 事務局

2017年3月 8日 (水)

2月27日IVS Japan Dinner Time Tasting『アルトアディジェ COLTERENZIOの夕べ』

ワイン生産者をお招きしてのメイカーズディナーはお陰様で大盛況でございました。
 

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【生産者】 コルテレンツィオは、1960年に28のぶどう栽培農家により設立された組合で、
現在では300以上の組合員によって構成され、所有する畑面積は300ヘクタールに及ぶ。1979年から主導者を務めるルイス・ライファーは「原点への回帰」を理念に掲げ、息子ウォルフガング・ライファーによって具現化した。

2010年にマックス・ニーデルマイヤーと共に同社の経営者となり、醸造家マルティン・レマイヤー、取締役のフベルト・ドルフマン、輸出マネジャーである今夜のゲスト、レティツィア・パジーニと共に、素晴らしいワインを造り続けている。



VINI:

インポーターパシフィック洋行㈱のご協力により下記5種類のワインをテイスティング。

1) 乾杯のスプマンテ   Rive Gauche / マルヴィラ 品種:アルネイス  

1本目はコルテレンツィオを紹介して下さったピエモンテ州のマルヴィラの加糖なしアルネイス品種で作るスプマンテ。すっきりとリンゴのようなフルーティさが食前酒にぴったりです。 

2) Gewurztraminer DOC  2015/ゲヴュルツトラミネール

黄金がかった黄色。黄色いバラ、ライチ、クローブ、ナツメグのような香り。ふくよかでスパイシーな余韻のあるエレガントな味わい。

料理: 食前酒、ハーブを使った前菜、魚介を使ったパスタ、魚のオーブン焼き、白身の肉料理。

畑:標高400~460m、粘土、小石を含んだ氷堆石土壌 醸造:低温マセラシオンを数時間行い、ソフトプレス。18度に設定されたステンレスタンクで発酵。ボトリングまで澱とともに寝かせられる。

3)Chardonnay DOC Formigar Cornel  2014/シャルドネ フォルミガール コルネル 

濃い麦わら色。 クルミ、マンゴー、メロンや、ほのかな木の香り。アロマティックでふくよかな味わい。

料理: あらゆるパスタ料理。魚のグリル、甲殻類、白身の肉料理。

畑: 400-550m。氷堆石、砂利、小石の多い乾燥した土壌。 醸造: 軽く破砕を行い、新樽と旧樽のバリックで発酵、一部のみ木樽でマロラクティック発酵。酵母とともに10ヶ月、バトナージュしながら熟成後、瓶内熟成6ヶ月。 

4)Lagrein DOC 2015/ラグレイン  

紫がかったガーネット色。スミレ、黒い実の果実、チョコレート、ハーブのような香り。ストラクチャーのあるタンニン、品種に由来する酸がある。森の果実のアロマ、チェリーのような余韻とエレガントで他に類を見ないほどの華やかなブーケ。

料理:アルトアディジェ料理との相性が最適。スペック、サラミ、ローストした肉料理、ジビエ

畑:砂を多く含んだ氷堆石・沖積土土壌 醸造:ステンレスタンクで皮とともに8日間発酵後、マロラクティック発酵を行う。ステンレスタンクとセメントタンクで数ヶ月熟成。

5) Pinot Nero DOC St. Daniel Riserva 2013/ピノネーロ サン・ダニエル 

輝くルビーレッド色。チェリーなどの赤い果実やスパイスのアロマ。やや強めのボディがあり、余韻が長くエレガントな赤ワイン。

料理: 軽めの前菜、仔牛、家禽類、濃い味付けの魚料理

畑: 標高350m。氷堆石を含んだ火山性土壌。昼夜の温度差が激しい気候。 醸造: 短いマセラシオンを行い、14日間25度で発酵。マロラクティック発酵の後、2/3を3500Lの大樽で、1/3をバリックで12ヶ月熟成。1年の瓶内熟成。

PIATTI:

各種ワインに合わせたアルトアディジェの郷土料理をご用意下さいました。

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Antipasto:Asparagi alla bolzanina,Arrosto di Coniglio, Polenta Fritta e Speck

前菜の盛り合わせ(ホワイトアスパラガスのボルツァーノ風、ウサギのロースト、ポレンタのフリット スペック添え)

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Primo 1: Minestra d’ orzo   大麦のミネストラ

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Primo 2:Spezzattino di Cervo con tre colori di Canederli 3種のカネーデルリ 鹿の煮込みのソースで

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 Secondo: Garretto di vitello   仔牛スネ肉のオーブン焼き 

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Dolce:Strudel di mele      リンゴのストゥルーデル 

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ワインインポーター:パシフィック洋行株式会社  

リストランテ:Villa Magnolia  

IVS JAPAN

2017年2月16日 (木)

【テーマ】:トスカーナ州のワイン第1弾

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場所:イタリア中西部に位置し、北は、リグーリア州、エミリア・ロマーニャ州、東は、アペニン山脈でマルケ州、ウンブリア州、西は、ティレニア海、南は、ラツィオ州に接している。州都は、フィレンツェ。
変化に富んだ自然に恵まれた風光明媚な州。エトルリア文明が栄えた場所でトスカーナの語源はラテン語のエトルリア人に由来する。主な産業は観光と農業で多くの世界遺産とブドウが栽培されている丘陵の風景は変化に富み、ぶどう畑と共にオリーブ園なども見られる。
イタリアを代表とするワイン生産地で、ワインの歴史は、2000年以上に及ぶ長い歴史があり、昔からそのワインの名声を誇ってきた州である。
赤ワインの生産量が多く、DOC比率が高い。DOCGは11ある。

イタリアの中で最も生産量の多い赤ワイン(サンジョヴェーゼから造る)でチャーミングなデイリーワインでチェリーやスミレの香り、活き活きとした果実味、酸味、タンニンとのバランスが良く、飲み飽きないスタイルの"キャンティ"、クラシコになるとさらに香が高く、酸がしっかりしてミネラルのトーンが出てきてエレガントである。海からの影響でキャンティ地区より温暖なため力強いスタイルの”ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ”、
さらに内陸のため海からの影響がないためキャンティ・クラシコとブルネッロの中間的なスタイルの”ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ”。また、国際品種、新樽小樽熟成等DOC法の規則にとらわれない品質向上のための製法で造られた最高級ワインを造りたいという生産者、ジャコモ・タキス氏、カルロ・フェリーニ氏、ルカ・ダットーマ氏等フランスの醸造技術を知りつくした有名エノロゴが台頭しスーパータスカン(Super Toscana)と呼ばれるVdT(ヴィノ・ダ・ターボラ)やIGTという格付けでありながら、高品質のワインを造った州である。

歴史的には、
1716年 トスカーナ大公コラモ3世が、カルミニャーノ、キャンティ、ポミーノ、ヴァル・ダルノ・ディ・ソプラのワイン産地の境界を定めた。=>世界最初の原産地保障。
1924年 キアンティワインの保護するためにイタリア初のブドウ栽培・ワイン醸造共同組合としてコンソルツィオが創立した。そのトレードマーク「ガッロ・ネロ」(ブラック・ルースタ、黒い雄鶏)
1872年 ベッティーノ リカゾーリ男爵(1800年代2度にわたってイタリア首相を務めた)は、ブロリオ城(Castello di Brolio)において数種類のブドウをブレンド、醸造としては、「ゴヴェルノ方式」でワイン造りを試み、キャンティのレシピは下記の配分であった。
70% サンジョヴェーゼ(方言でサンジョヴェート)、香りと力強さ持つ品種
15% カナイオーロ =>サンジョヴェーゼの硬さを和らげる効果
15% トレビアーノ(後にマルヴァジア ビアンカも) =>熟成を早め、軽やかなワインにする。香がよくため、料理との相性の調整役
 ※ゴヴェルノ方式とは、トスカーナ独特な醸造方法で春に前年の収穫して造った若ワインに半乾燥したブドウ果汁を加え軽い2次発酵を起こして造るワイン。できたワインは、さわやかな酸味を持ち、フレッシュで口当たりの柔らかで、早飲みできるワイン。この方法で造ったワインのラベルに"Governato"と表記できる。

生産地域
【ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ(Vernaccia di San Gimignano)】
シエナ県サンジミニャーノ地区。貴族の権力の象徴として建てられた塔の町サンジミニャーノ(世界遺産)を中心に位置する。
1800年代に貴族がカンティーナを購入後、ワイン造りが始まる。
1993年にトスカーナで一番新しい白ワインのDOCGが誕生した。
同じ名前の葡萄から造られる白ワインで、辛口が基本ですが、甘口のものもあるようです。
ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ90%以上
その他、この県の推奨品種/許可品種の白ブドウ10%まで使用することができます。
(今回の1番目のワイン)

【キャンティ(Chianti)】
アレッツォ県、フィレンツェ県、プラート県、ピストイア県、ピサ県、シエナ県と幅広い丘陵地帯で、夏は高温乾燥、冬は低温湿潤。ワイン造りは、紀元前8-7世紀のエトルリア時代に遡る。1984年にDOCGに昇格した。
辛口の赤ワインの産地です。サンジョヴェーゼという葡萄から造られますが70%~100%以上。他に幾つかの補助品種を15%使っても良いことになっていますが、白ブドウは10%以下です。
キアンティは品質に千差万別があり、ライトタイプのぐいぐい飲めるものから、長期熟成に耐え威厳に満ちたものまで様々です。
最近では品質の向上が著しくそれに呼応する形で生産量も減らし、多くの生産者たちは自分達のワインを差別化するために特定の畑や区域の名前を強調することによって高品質をアピールする方法を取り始めています。
キャンティには、7つのソットゾーンがある。

製造に関して基礎的な話
樽の使い方
大樽:バニラ香はしない。樽香はない。酸化し難い。
小樽:バニラ香がして、アメリカンオークを使用した場合、ナッツ系の香りがする。
   新樽、古樽(樽からのエキスはない)
混醸
・サンジョベーゼ+フランス品種 (今回の3番のワイン)
・サンジョベーゼ+イタリア品種 (今回の2番のワイン)


【キャンティ・クラシコ(Chianti Classico)】
シエナ県、フィレンツェ県で古くからの生産地域に対して、キャンティに包含されていたため1984年にDOCGに昇格、その後、1996年キャンティクラシコエリアがDOCGとして独立した。
1994年サンジョヴェーゼ100%で造ることが認められた。(15%まで他の品種を混醸してもOK)
2006年から白ブドウのブレンドはNGとなり、黒ブドウのみから造る。
(2005年までは白のトレビアーノ・トスカーノ/マルヴァジア・デル・キャンティを6%の混醸が認められていた)
2010年からキアンティ・クラシコエリアでキャンティを造ることは禁止された。
土壌は、多様で地区により様々な個性のあるワインが生まれる。

キャンティ・クラシコの種別
アンナータ(Annata):最低熟成12ヶ月 最低アルコール12.5% (今回の4番目のワイン)
リゼルヴァ(Riserva):最低熟成24か月 最低アルコール13.0% (今回の5番目のワイン)
グランセレツィオーネ(Gran Selezione):30か月以上熟成 アルコール13.5%

  =>卓越した個性を持ち、単一畑または、最良区画から優れたブドウを選果する。
    サンジョベーゼ80%以上使用で1社から複数ワインが出せる。
    2013年時点33社から2015年4月には、100社以上になった。

キアンティ・クラシコには、9つのコムーネがある。
フィレンツェ県
1.San Casciano in Val di Pesa サン・カッシャーノ・ヴァル・ディ・ペーザ
 標高310m 面積108平方Km
 砂利を多く含む赤色の粘土質
 適度な硬質の酸とタンニン、強いミネラル感が特徴的

2.Tavarnelle Val di Pesa タヴァルネッレ・ヴァル・ディ・ペーザ
 標高378m 面積56平方Km
 粘土石灰質土壌
 スパイシーでミネラルが多く感じられる

3.Barberino Val d'Elsa バルベリーノ・ヴァル・デルザ
 標高373m 面積65平方Km
 粘土石灰質土壌 泥灰質
 適度な硬質の酸とタンニン、強いミネラル感が特徴的

4.Greve in chianti グレーヴェ・イン・キャンンティ
 標高236m 面積169平方Km
 礫、砂質、石灰質土壌 沖積土で小石が多く粘土を含む
 繊細で綺麗な酸味、滑らかな舌触りでまろやかなタンニン

シエナ県
5.Poggibonsi ポッジボンシ (メリーニ)
 標高116m 面積70平方Km
 石灰を含む泥炭土、粘土からなる土壌
 軽やかで爽やかな酸味とジューシーな果実味

6.Castellina in Chianti カステッリーナ・イン・キャンティ
 標高578m 面積99.5平方Km
 岩が多く石灰岩質 石岩質
 ミネラル・タンニンが溶け込んだ、際立つ洗練さ、モダンさ

7.Radda in Chianti ラッダ・イン・キャンティ
 標高530m 面積80平方Km
 石灰質 砂質 粘土質
 柔らかな果実味、スパイス、細かい酸がありバランスが良い

8.Gaiole in Chianti ガイオーレ・イン・キャンティ
 標高360m 面積129平方Km
 石灰質 粘土質 砂質 石が多い
 綺麗な酸と凝縮した果実味、ミネラルが豊富でエレガント

9.Castelnuovo Berardenge カステルヌオーヴォ・ベラルデンガ
 標高351m 面積177平方Km
 石灰質土壌 沖積土壌 粘土質
 優雅さや繊細さを持ちながら、しっかりとしたボディと骨格のある酸味が特徴

今回のワインの生産者
マキャヴェッリ社は、フィレンツェ県のSan Casciano in Val di Pesa
メリーニ社は、シエナ県のPoggibonsi

【本日のワインに合わせるお料理】

Antipasto:(2種盛合せ)

①わかさぎのエスカベッシュツナと白インゲン

②豆のブルスケッタ

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Primo:桜海老とチェリートマトのスパゲッティ マッキアート

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Secondo:鶏もも肉のトマト煮込み"カチャトーラ"

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【ワインリスト】


①ワイン名:ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ 2015 DOCG
メーカー:メリーニ社
産地:トスカーナ州  ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ地区
ブドウ品種:ヴェルナッチャ主体
醸造:ブドウは9月上旬の収穫して、ソフトプレス後、14~16℃でステンレスタンクで発酵 13.0%
   サンジミニャーノの丘陵地帯、標高250~300mに位置するの日当たりの良い畑で石灰を含む砂質土壌。
特徴:緑がかった輝く麦わら色。柑橘系の果実の香、温度が上がるとパイナップルのニュアンスあり、ミネラルを感じる香り。
   果実味と酸とのバランスが取れたエレガントな味わいで塩味を感じ辛口白ワインです。
料理:アンティパスト、シーフード、焼鳥(塩)や豚料理に合わせる

②ワイン名:キアンティ 2015 DOCG
メーカー:メリーニ社
産地:トスカーナ州 キアンティ地区
ブドウ品種:サンジョヴェーゼ・グロッソ、カナイオーロ・ネーロ
醸造:頻繁にルモンタージュをしながら、10日間マセラシオン。ステンレスタンクで熟成後、瓶詰。 12.5%
   シエナとフィレンツェの間にあるキアンティの丘陵地帯にある、海抜350-400mの日当たりの良い畑で石灰岩、泥灰岩、粘土などの多様な土壌。
特徴:輝きのある明るいルビーレッド。ラズベリー、野イチゴ、スミレの香り。
   味わいは心地よいチェリーなどの赤系ベリーのフルーティーさで若干の鉄ぽいミネラルあり、全体的にやわらかく、フレッシュさがアフターテイストまで残り、キアンティらしい軽快な赤ワイン。
料理:肉のソースのパスタ、さっぱりした肉料理に合わせる。

③ワイン名:ネオ・カンパーナ キアンティ・コヴェルノ 2013 DOCG =>ネオ・カンパーナは「新しい鐘」の意味。
メーカー:メリーニ社
産地:トスカーナ州 キアンティ地区
ブドウ品種:サンジョヴェーゼ、メルロー、カベルネ
醸造:収獲したブドウ果を厳選し、一部(約15%)のブドウを21日間かけて陰干しにし、糖度を高めます。残りのブドウはフレッシュなうちに破砕して発酵させます。その後、干しブドウを破砕し少し発酵させたところに、フレッシュなブドウで造ったワインを少しずつ加え、ゆっくりとステンレスタンクで再発酵させます。この「ゴヴェルノ・トスカーナ」という伝統的な手法と完璧な温度管理と現代的な醸造技術を用いて造る。14.0%
土壌は、アルベレーゼと呼ばれる非常に粒が細かくぎっしりと詰まった石灰石の土壌と、ガレストロと呼ばれる砂利もしくは石を含んだ石灰質に富む粘土質土壌
特徴:鮮やかなルビー色。洋ナシ、チェリーやラズベリーの熟した果物、アイリスやスミレのフローラルな香り。
   ゴヴェルノ・トスカーナの製法からくるしっかりとしたボディとなめらかでフルーティな味わい。シャープで調和のとれた赤ワイン。
料理:生ハムやサラミなどの前菜、チーズ、野菜を使ったスープや赤身肉のグリルに合わせる。

④ワイン名:ソラディオ・デル・ターニ キアンティ・クラッシコ 2013 DOCG =>“ソラティオ”はかつてマキャヴェッリの所有地にあった農園の“ターニ”はそのブドウ栽培者の名前。
メーカー:マキャヴェッリ社
産地:トスカーナ州 サン・カシャーノ・イン・ヴァル・ディ・ペーザ キアンティクラシコ地区
ブドウ品種:サンジョヴェーゼ・グロッソ、他
醸造:ブドウは9月から10月にかけて収穫、約2週間頻繁にルモンタージュしながらマセラシオン、フランス産オークの小樽と中樽で1年間熟成させ、ボトリング。瓶内熟成3ヶ月以上。  13.5%
サンタンドレア・イン・ペルクッシーナ近郊の日当たりが良い自社畑で標高300-350m。土壌は、粘土質の石灰土、片岩が混じり。
特徴:ルビーレッド。若干ドライのラズベリーやすみれ、スパイスの感じられる香り。
   豊かな果実味と酸とのバランスがとれ、きめ細かいタンニンとスパイシーさも加わり、余韻には桑の実などが感じられ複雑な味わいの赤ワイン。
料理:ジビエのローストや肉のグリル、ペコリーノチーズに合わせる。

⑤ワイン名:フォンタッレ キアンティ・クラッシコ・リゼルヴァ 2010 DOCG =>“フォンタッレ”(泉)は単一畑の名前。
メーカー:マキャヴェッリ社
産地:トスカーナ州 サン・カシャーノ・イン・ヴァル・ディ・ペーザ キアンティクラシコ地区
ブドウ品種:サンジョヴェーゼ・グロッソ 100%
醸造:ブドウは10月中旬に収穫、20日間ルモンタージュしながらマセラシオンさせ発酵。50%はバリック(小樽)でマロラクティック発酵させ、1年間熟成。残りの50%はフレンチオークの大樽で2年間熟成し、ブレンドしたのちボトリング。瓶熟は最低3ヶ月間。
   フィレンツェ郊外のサンタンドレア・イン・ペルクッシーナにある約26haの畑で標高300メートル。南向きの日当たりの良い斜面で粘土質、石灰土の混成土壌。 15.0%
特徴:濃いルビーレッド。バニラ、レーズン、ブラックベリー、すみれのフローラルな香り。
   熟成からかタンニンもまるくなり骨格のしっかりとした、バランスのとれた味わいで、余韻にもエレガントで熟した果実の香りが残る素晴らし赤ワイン。
料理:牛肉、ジビエ、熟成したチーズに合わせる。

※訂正とお詫び

当日お配りした資料の番号に誤りがございました。トスカーナ州、11個のDOCG名とその地図上の番号を下記に訂正し、お詫び申し上げます。

正誤内容
誤り → 正しい
①  → ③
②  → ①
③  → ④
④  → ②
⑤  → ⑦
⑦  → ⑤
⑧  → ⑩
⑨  → ⑧
⑩  → ⑪
⑪  → ⑨
 

≪ワインのお求めはこちら≫

 アルベロジャパン㈱ 立野さんまでどうぞ

TEL03-3868-2048  Email: info@bellatina.jp

IVS Japan事務局 http://www.ivsjapan.com/

2017年1月17日 (火)

【テーマ】新春を祝う晴れやかなワイン

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スパークリングワインの話

近年、イタリアを含むスパークリングワインはBrut辛口タイプの需要が高く、ドサージュ(残糖)なしのものが男性を中心に人気がでている。
やはり、熟成の長いスパークリングを飲むと熟成からの香りや味わいによって、心が和み、豊かな気持ちにしてくれます。
一方フレッシュな味わいのスパークリングは、気兼ねなく普段に飲める、ちょっと一杯感覚がまたいいです。近年、このタイプのスパークリングが世界で人気を集めています。

イタリアでは、このスパークリングワインをガス圧等の違いでカテゴリ分けしています。ヴィーノ・スプマンテ、ヴィーノ・フリッツァンテ
ガス圧とは
EUの規定ではガス圧の単位は、天気予報でお馴染みの単位バール(Bar)である。
※現在は、バールではなくパスカルですが。(平成4年より、気圧を表すミリバールからヘクトパスカルへ同じ値のため移行した
1バールは、0.986923気圧なので、ほぼ1気圧である。1気圧とは、地球の地表面(標高約0m)で1平方センチメートル(親指の爪)に1kgの物体を乗せた圧力。

「ヴィーノ・スプマンテ」を細かく定義をすると5つに分類される。以下のガス圧は最低ガス圧でいづれの生産者もそれ以上です。
・ヴィーノ・スプマンテ(Vino Spumante(V.S)):ガス圧3バール Alc8.5%以上
・ヴィーノ・スプマンテ ディ クワリタ(Vino Spumante di Qualita(V.S.Q)):ガス圧3バール Alc9.0%以上
・ヴィーノ・スプマンテ ディ クワリタ ア デノミナツィオーネ ディ オリジネ プロテッタ
 (Vino Spumante di Qualita a Denominazion di Origine Protetta(V.S.Q.DOP)):ガス圧3.5バール Alc9.5%以上

さらに、これら3つのタイプに指定の13のアロマティック品種を用いた場合に
・ヴィーノ・スプマンテ ディ クワリタ デル ティーポ アロマティコ(Vino Spumante di Qualita del Tipo Aromatico(V.S.Q.TA))
・ヴィーノ・スプマンテ ディ クワリタ デル ティーポ アロマティコ ア デノミナツィオーネ ディ オリジネ プロテッタ(Vino Spumante di Qualita del Tipo Aromatico a Denominazion di Origine Protetta(V.S.Q.TA DOP))

「ヴィーノ・フリッツァンテ」
・ヴィーノ・フリッツァンテ(Vino Frizzante):ガス圧1~2.5バール Alc7.0%以上


スパークリングワインの製法は、5つの方式がある。
1.メトドクラシコ方式 =フランチャコルタ方式:フランチャコルタを代表とする瓶内二次発酵製法
2.シャルマ方式:アスティやプロセッコを代表とする密閉タンク内二次発酵(アウトクラーベ(圧力式ステンレスタンク)で行う製法でシャルマさんが考案。
3.トランスファー方式:2つの方式の中間の方式として、瓶内二次発酵までした後、動瓶→オリ抜きの工程時に瓶ごと冷却し、密閉加圧されたタンク内に集め、タンクでまとめてオリ抜きし、門出のリキュールを添加、そのまま加圧状態で再び瓶詰めする製法。(一部のゼクトで採用)
4.メトード アンセストラルまたは、メトード リューラル方式:アルコール発酵中のワインを冷却するなどして発酵を減速され、糖分を残して瓶詰めする。そのため、瓶内でアルコール発酵が再び始まり、瓶内で完全にアルコール発酵を終了させる製法。二次発酵ではない。
5.炭酸ガス注入方式:普通に造ったワインを冷却、加圧し、炭酸ガスを直接注入して発泡性を持たせる製法

①プロセッコ
産地は、イタリア北東部のドロミテ山系とアドリア海の間に位置する地域のブドウ畑に限られています。州は、ヴェネト州とフリウリヴェネツィアジュリア州

統計情報
2015年度 プロセッコDOCの製造に関して
ブドウ畑:20,250ha
売上高:17億ユーロ
生産本数:3億5千5百万本
イタリア国内へ30%、輸出70%(ヨーロッパ諸国74%、アメリカ20%、アジアおよびその他6%)
2016年から向こう3年に渡ってその栽培エリアを現在の2万haから2万3千haへ拡大し、生産本数を1億4400万本増やす予定。

DOCGは3つ。
・コネリアーノ(Conegliano  Prosecco)
・コネリアーノ ヴァルドッビアデネ(Conegliano Valdobbiadene Prosecco)
・コッリ アソラーニ(Colli Asolani Prosecco) または アゾロ(Asolo Prosecco)

DOCでプロセッコ ディ XXXXが名乗れるのは、2つ
・トレヴィーゾ =>今回の1番目のワイン
・トリエステ(フリウリ)

2009年にDOCG昇格とDOC Proseccoの誕生に伴って、プロセッコ(Prosecco)というのは、品種種名からワインの呼称名となり、
ぶどう品種はグレーラ(Glera)種に変えることになった

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②フランチャコルタ
イゼオ湖の南2~ 400の丘陵地でブドウ栽培がされ、瓶内二次発酵によって造られるスプマンテ。
Iseo村を境に左側(ミラノに近い側)産地としては、アドロ、エルブスコがあり土壌は、氷堆積土壌。
右側は、モンティチェッリ ブルザーティ(一番標高が高い)、オーメ、グッサーゴがあり土壌は、石灰粘土土壌。
※エルブスコの南の国道4号線隔てたオルファノ山の南斜面は、石灰粘土土壌がある。=>3番目のワイン

「フランチャコルタ」というと3つの意味がある。
1.地域名
2.製法名
3.ワイン名

品種:シヤルドネ種、ピノ・ネーロ種、ピノ・ビアンコ種

③ランブルスコ
ブドウの品種のランブルスコは、亜種が多く、エミリア平野で生育する。すべてがヴィーノ・フリッツァンテである。
1970年代にブームとなるが、それ以前は、職人的な製法で手造るされていて、収穫後、その翌春にボトリングされ、瓶内で再発酵させていた。1970年代以降は、アウトクラーヴェと呼ばれる圧力式タンクが導入され、温度管理のされたタンク内二次発酵で造られるようになると、品質管理がしやすくなった。(シャルマ方式である)
今後は、昔からの職人的な瓶内での発酵のスタイルに回帰した、ニッチな造り手も出てきて注目すべき。
このスパークリングは、プロシュート(生ハム)、サラミ等味の濃い郷土料理とよく合う。

ランブルスコの代表的な亜種
・ランブルスコ・ソルバーラ:モデナの北側が主な産地。
           色調は、ロゼのようなチェリーピンク。
           香は、赤系果実やスミレの香りがあり、繊細でデリケートな香である。
           味わいは、フレッシュな果実のアロマ、はっきりした酸味があり、ボディは中程度から軽め、タンニンは低い。
・ランブルスコ・グラスパロッサ:モデナ中心に栽培されている。
             色調は、濃いルビー。
             香は、フラワリーな香と森の中の低い木の赤い果実の強い芳香がある。
             味わいは、豊富なタンニン、控えめな酸味でしっかりした骨格がある。
・ランブルスコ・サラミーノ:モデナのソルバーラ地区の北側、ポー川に最も近づく平野が中心の生産地区。
           ランブルスコの中では最も栽培面積が大きい。
           キャラクタは、ソルバーラとグラスパロッサの中間。
           色調は、濃いルビー。
           香は、果実の熟した香やフレッシュな花の香り。
           味わいは、酸とストラクチャアのあるタンニンとのバランスがあり、程よいボディ、塩味のミネラルがある。
・ランブルスコ・マエストリ:起源は、パルマといわれている。主にレッジョ・エミリアから西側で栽培されている。
           色調は、黒みのあるやや濃いルビーでスミレ色の反射がある。
           香は、果実や時々フレッシュな花の香り。
           味わいは、比較的骨格がしっかりしていて、タンニンも酸もしっかりある。
           =>4番目のワイン

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【ワインリスト】
①ワイン名:プロセッコ エクストラ ドライ NV DOC
メーカー:レ コンテッセ社
産地:ヴェネト州 コネリアーノの丘
ブドウ品種:グレラ 100%
醸造:ブドウは9月下旬の収穫して、ステンレスタンクで15日間の発酵し、シャルマ方式(圧力式ステンレスタンク)で1~2ヶ月熟成 11.0%
特徴:緑がかった輝く麦わら色。柑橘系果実、白桃、アカシカの花。
   果実味と酸とのバランスがとれたキレのある辛口スプマンテ。
料理:前菜からドルチェまで幅広く利用できる。

②ワイン名:ピノ ロゼ NV IGT
メーカー:レ コンテッセ社
産地:ヴェネト州
ブドウ品種:ピノネロ70% ピノビアンコ30%
醸造:ブドウは8、9月の収穫して、ステンレスタンクで15日間の発酵し、シャルマ方式(圧力式ステンレスタンク)で60~90日間熟成 11.0%
特徴:淡いピンク色。フレッシュなストロベリーやローズの香り。
   辛口で果実味があり、酸とのバランスがとれ、後味に苦みを程よく感じるスプマンテ。
料理:前菜、鶏肉料理、魚介のフリット、生ハムに合わせる。

③ワイン名:フランチャコルタ グラン キュヴェ NV DOCG
メーカー:ボミノ社
産地:ロンバルディア州 エルブスコの南、国道4号線隔てたオルファノ山の南側にあるコッカーリオ村
ブドウ品種:シャルドネ80%、ピノネロ20%
醸造:ブドウは8月10日~25日(例年)手摘みで丁寧に収穫、ステンレスタンクと木樽でアルコール発酵、ステンレスタンクとバリック(約10%)で8ヶ月熟成、瓶にベースワインに酵母と糖が添加され、36か月以上瓶内二次発酵、その後デゴルジュマン(オリ引き)を行い、リリースまで8か月瓶内熟成させる。12.5%
特徴:輝きのあるレモンイエロー。洋ナシ、柑橘系の果実香とナッツの香り、熟成からの焼き菓子やイーストの香り。
   フランチャコルタらしい厳格な骨格を持ち、芳醇な味わいときれいな酸味のバランスが取れたスプマンテ。
料理:魚介類や野菜のアンティ・パスト、リゾット、パルマの生ハム、魚のグリルや豚、鶏肉の料理に合わせる。

④ワイン名:ランブルスコ バーチョ(Bacio) IGT
      サッカー選手の中田英寿がイタリア滞在中にこのワインが気に入り、ラベルデザインに携わり、さらにBacio(キス)という名前を付けた。
メーカー:カンティーナ チェーチ社
産地:エミリア=ロマーニャ州 モデナの北側
ブドウ品種:ランブルスコ マエストリ 100%
醸造:ブドウは10月初旬の10日間で収穫、一次発酵させ、ステンレスタンクで二次発酵させる。  11.5%
特徴:濃い紫がかったルビーレッド。赤系チェリーが中心で甘系スパイスの香り。
   豊かな果実味と酸とのバランスがとれた味わい、きめ細かいタンニンとスパイシーさも加わりバランスのとれた味わいのワイン。
料理:パルマの生ハム、パルメジャーノ・レッジャーノチーズ、中華料理に合わせる。

⑤ワイン名:コンパニア ヴィナイオーリ サレント 2014 IGT
メーカー:アポッローニオ カーサ ヴィニコラ社
産地:プーリア州 レッチェの西側
ブドウ品種:ネグロアマーロ80%、マルヴァジアネーラ20%
醸造:ブドウは9月中旬に収穫、12000lのスラヴォニアの大樽で10日間発酵、20日間のマセラシオン、木樽で3か月熟成。
   土壌は、石灰質、粘土質。 13.0%
特徴:濃いルビーレッド。ブラックベーリー、ドライハーブ、鉄っぽいミネラル、スパイスの香り。
   しっかりとした果実味で芳醇な味わいであり、程よい酸とタンニンでバランスが取れたワイン。
料理:ローストした仔羊肉の料理、肉のトマト煮込みに合わせる。

お食事メニュー 

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 前菜盛り合わせ(鯛・カプレーゼ・生ハムとルコラのシーザーサラダ)

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 ズワイ蟹のパスタ



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 牛スネ肉の赤ワイン煮込み



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2016年12月25日 (日)

この度は多くの皆様と素晴らしいクリスマスイヴの夜を過ごせましたこと、大変感謝致しております。 

また皆様にご満足頂けましたこと本当に嬉しく思っております。

こちらに記念写真を掲載致しましたのでご覧頂き、余韻に浸ってくださいませ。

 【日時】12月24日(土) 開場17:00~ 開始17:30~20:30 

【会場】浅草 茶寮一松                 

   

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【第1部:弦楽四重奏コンサート】

オープニングは国内外で活躍する美しき4人の音楽家の弦楽四重奏の贅沢な調べに皆様聴き入ってらっしゃいました。 

note曲目(予定)
『モーツァルト ディベルティメント へ長調 k.138』 
『ボロディン カルテット 2番より/クリスマスキャロル/イタリア歌劇より 他』

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~演奏家の皆さまと記念写真~

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【第2部:四季の彩りを感じる会席料理とイタリアワインのマリアージュ】

松竹梅の彫りが障子窓に飾られた松の間で、お食事の宴が木川さんの司会によって開催されました。

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女将山口様よりご挨拶

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馬場先生に乾杯のご挨拶をいただきました。~BUON NATALE!~

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 【御献立】  茶寮一松 料理長 浅野一弘
 一、先附 雪化粧 海老・エリンギ・カリフラワー・リンゴ・雪輪長芋
   一、御造里 季節の魚
   一、温肴  トマト煮 鶏団子・鯛唐揚げ・ブロッコリー・エリンギ・帆立貝
 一、焼き物 鰆油正油焼き 栗茶巾・酢取り蓮 銀杏松葉
 一、止肴  蒸し柿・丁子麩 ズワイ蟹・もって菊 美味酢
   一、御食事 舞茸御飯 汁・香の物
   一、水菓子 白胡麻のムース  イチゴ・ブルーベリー・キウイフルーツ・黒豆

【お食事に合せるワイン】
1.   スプマンテ)オゼ・ロゼ・ブリュット   

生産者:Le Vigne di Aliceヴェネト州 品種:グレラ(白)マルツェミーノ(黒)

甘さすら感じる果実感たっぷりの香りと、すっきりとした辛口のテイストを兼ね備えた、

今、人気の元気を与えてくれるロゼスパークリングワイン。

 

2. (白)ジビッボ ビオ テッラ シチリアーネIGT 

生産者Baglio Impassito  シチリア州西部

品種: モスカート・ダ・アレッサンドリア 

平均樹齢20年 ソフトプレス後、ステンレスタンク にて最高15で30日間の発酵。

4ヶ月間シュール・リー 法で安置。 アルコール14% 

レモン、アップルの香り。ミネラル感の余韻 。

 

3. (白)カタラット・シャルドネ・テッレ・シチリアーネ I.G.T.

生産者Impassito    シチリア州

品種: カタラット・ルチド60%、シャルドネ 40%

  平均樹齢15年 低温40日間発酵。シャルドネの一部は樽にて発酵。二種のワインを澱ごとブレンドし、バトナージュしながら6~8ヶ月間10に保つ。アルコール:13.5% 

トロピカルフルーツ(バナナ)、バニラの香り。程好い酸味。

 

4.(赤)ペッリコーネ テッレ シチリアーネIGT  

 生産者Impassitoシチリア州マルサラ地区     品種: ペッリコーネ100%

平均樹齢: 20 年  28以下で10日間のマセレーション、発酵。 アルコール14%

赤い果物、プルーンの香り。 程好いタンニンを含み、とてもまろやか。

 

5.(赤)ネロ・ダーヴォラ・ビオ・テッレ・シチリアーネ I.G.T.

生産者Impassitoシチリア州       品種: ネロ・ダーヴォラ100%

平均樹齢:15年  10日間アルコール発酵後マロラティック醗酵(11月)、

アメリカ産オーク樽で3ヶ月間熟成。 アルコール14.5%

プルーン、黒コショウ、バニラの香り。まろやかなタンニン、後味が豊潤で、バルサミコの余韻 。

 

6. (ドルチェワイン)ランブルスコ・サラミーノ サンタクローチェ・アマービレ

 品種:ランブルスコ・サラミーノ・ディ・サンタ・クローチェ100%

モデナの限定されたエリアで栽培されたランブルスコ・サラミーノを使用。バラやラズベリーの香り、ほどよい酸があり果実味も豊かで、心地よい甘さの感じられるフリッツァンテ(弱発泡性ワイン)。

              

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最後にはクリスマスプレゼントとして、パネットーネを皆様にご用意させて頂きました。

Buon Natale!

皆様どうぞ良いお年をお迎え下さいませ。  来年のクリスマス・イヴも好ご期待!

IVS Japan  木川・松山

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2016年12月13日 (火)

【テーマ】カラブリア州のワイン

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≪カラブリア州の場所について≫イタリア半島のつま先部分に位置する。

州の中央にラ・シラ山脈があり、産地はこの山脈をはさんで東部と西部に分かれる。
東部は、石灰質と硬い砂質土壌 産地は、チロ。この産地は州の90%を占める。
(今回のテイスティングワインの産地)
西部は、コセンツァから海岸沿いにラメツィア・テルメあたりまで産地が広がる。
畑は、急こう配で石ころが多い石灰質と粘土質の土壌である。
このあたりは、グレコ・ビアンコが栽培され辛口タイプのワインが造られる。
テッレ ディ コセンツァDOCは、幅広いDOCのため、7つのサブゾーンに分かれている。
その中の1つにバジリカータとの州境に山麓があり、そこからの冷たい風が吹き、冷涼な産地になっている
ポリーノがある。
最初のスプマンテとその次の白ワイン(ティンパデル プリンチペ)その地域のワインである。

家庭単位で野菜を作り、保存食を作り、家畜を飼育し、サラミ・サルシッチャ・プロシュートを作る。
そしてイタリアでは珍しい、辛い唐辛子の産地です。

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新宿のSPACCA NAPOLIではクリスマスのデコレーションで、眺めの良い景色と合わせて

美味しい食事を満喫致しました。

≪カラブリア州の土着品種について≫

1980年代にモダニズムが流行して、リブランディ社のワインが売れ、カラブリアのワインの認知度があがった。
2000年代には、土着ブームでガリオッポ種の個性を出すワイン造りなってきた。
近年では、マリオッコ種が長期熟成に向く品種であり、注目されてきているがまだ、試行錯誤している

白ぶどうの品種
グレコ・ビアンコ種は、ギリシャが起源。
カンパーニア州で栽培されるグレコとは違うもので、容姿も味わいも異なる。房が2つに分かれる。
イチジク、はちみつ、アーモンド、オレンジの花の香り、黄色みが強い。
今回の白ワイン2番目、3番目

黒ぶどうの品種

ガリオッポ種は、ギリシャが起源で、世界で最も古い品種とされ、ギリシャ移民によってイオニア海を渡りカタンザーノに持ち込まれたといわれている。
暑さ、病気にも強く、灌漑を必要としない、カラブリア州に適している。
甘いスパイス、バラの花、果皮が薄いため、ポリフェノールが少ない(色調が明るくなりがち)がタンニンが多めで中期熟成が可能。
今回の赤ワインの5番目、6番目

マリオッコ種は、干ばつに強い品種、ポリフェノールが多く色がしっかり出る(色調が濃い)。
ドライフルーツからフレッシュフルーツまで多様な香りをもち、スパイシーである。
今回の赤ワインの4番目

≪お食事≫

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≪ワインリスト≫

①ワイン名:ドヴィ メトドクラシコ 2013 IGT
メーカー:テヌテ フェッロチント社
産地:カラブリア州
ブドウ品種:シャルドネ 100%
醸造:条件の良い畑のシャルドネ種を使用して、ステンレスタンクで1次発酵、ドサージュ12g/l 12.5%
特徴:緑がかった輝く麦わら色。柑橘系果実、ミネラル、イースト香。
   果実味とカラブリア内でも冷涼な産地からの酸と苦味でキレのある辛口スプマンテ。
料理:前菜、チーズに合わせる。

②ワイン名:ティンパデル プリンチペ 2015 DOC 名前の由来:ポリーノ山脈の峰の名から
メーカー:テヌテ フェッロチント社
産地:カラブリア州
ブドウ品種:グレコビアンコ60% モントニコ40%
醸造:ステンレスタンクで発酵し、瓶詰め。  13.0%
特徴:緑がかった輝くレモンイエロー。フレッシュでストーンフルーツの香りと黄色い花のニュアンス、ミネラルの香り。
   酸がきりっとして塩味のミネラルがあるワイン。
料理:魚介を使った前菜、魚介のフリットに合わせる。

③ワイン名:チロ・ビアンコ 2015 DOC
メーカー:リブランディ社
産地:カラブリア州
ブドウ品種:グレコビアンコ100%
醸造:ブドウは9月中旬収穫後、温度管理可能なステンレスタンクでスキンコンタクト。アルコール発酵、熟成。
   土壌は、石灰混じりの粘土質。 12.0%
特徴:緑がかったレモンイエロー。柑橘系の香りとわずかなハーブ香、心地よい花の香りがある。
   厳格な骨格を持ち、芳醇な味わいときれいな酸味のバランスが取れ、苦味が全体を引きしめキレのあるワイン。
料理:魚介類や野菜のアンティ・パスト、魚のグリルやスープに合わせる。

④ワイン名:フェッロチント マリオッコ  2015 DOC
メーカー:テヌテ フェッロチント社
産地:カラブリア州
ブドウ品種:マリオッコ100%
醸造:ステンレスタンクで発酵し、瓶詰め。  13.5%
特徴:紫がかったルビーレッド。ダークチェリー、ローズ、シナモン、土のニュアンスもあり複雑な香り。
   凝縮した豊かな果実味と酸とのバランスがとれた味わい、きめ細かいタンニンとスパイシーさも加わり芳醇な味わいのワイン
料理:サルシッチャのピザ、スパイスの効いたパスタ、チーズに合わせる。

⑤ワイン名:チロ・ロッソ・クラッシコ 2014 DOCG
メーカー:リブランディ社
産地:カラブリア州
ブドウ品種:ガリオッポ100%
醸造:ブドウは9月下旬から10月上旬にかけて収穫後、温度管理可能なステンレスタンクでマセラシオン発酵、熟成。
   土壌は、石灰混じりの粘土質。 13.0%
特徴:やや淡いルビーレッド。力強いサクランボ、スミレ、ドライハーブ、スパイスの香りがある。
   バランスが取れた味わいで、酸がきりっとしてみずみずしくエレガントな味わいのワイン。
料理:ペンネアラビアータ、仔羊肉の料理、肉のトマト煮込みに合わせる。

⑥ワイン名:Dサンフェリーチェ チロ・リゼルヴァ 2012 DOC
メーカー:リブランディ社
産地:カラブリア州
ブドウ品種:ガリオッポ100%
醸造:ブドウは、平均樹齢30-40年の古木で10月上旬に収穫後、温度管理可能なステンレスタンクで10日~2週間、マセラシオン発酵。ステンレスタンクで30ヶ月熟成の後、数ヶ月の瓶内熟成。
   土壌は、石灰混じりの粘土質。 14.5%
特徴:濃いルビーレッド。複雑かつエレガントな香りで、プルーン、スパイス、熟成からの粘土やキノコの香りも出始めている。
   ボディがしっかりとしてアルコール感のある力強く複雑で厳格な味わいのワイン。
料理:牛肉のロースト、ジビエ、スパイスの効いた料理、熟成したチーズに合わせる。

≪ワインのお求めはこちら≫

 アルベロジャパン㈱ 立野さんまでどうぞ

TEL03-3868-2048  Email: info@bellatina.jp

IVS Japan 事務局 瀬戸

2016年11月26日 (土)

2016年11月20日(日)IVS Japanは5周年を迎え、多くの皆様と祝うことが出来ましたこと感謝いたします。

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今回は株式会社モンテ物産様にご協賛頂き、多種類のイタリアワインが豊富に並び、
また、インポーター、ソムリエの方が丁寧なご案内と共にサービスをして下さったことで、

イタリアワインが身近になる良い機会となりました。

皆様有難うございました。

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場所は銀座『トラットリア デル パチョッコーネ』という新潟に本店があり、ローマにも出店、

青山店は会員の皆様もよくご存知でいらっしゃいましたね。

20年以上前からイタリアンシェフとして活躍され、自社でプロッシュットやパスタ、ワインなど

厳選し輸入なさっているそうです。

ビュッフェスタイルでしたが、奥に着席ブースがあり、ゆったりと過ごせて頂いたようです。

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イタリア文化研究家、西村先生にご挨拶頂き、今日は『 レオナルドの買い物メモ』について

話して下さいました。 メモには必ずVINO(ワイン)が入っており、天才と言われた人であっても
ワインは欠かせなかったのだと。前回話して下さったプラーティナをレオナルドダヴィンチはとても尊敬していたそうで、彼の書物を大事に保管していたそうです。

歴史的にイタリア人にとってワインは欠かせないものだと再認識できましたね。

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トリエステ劇場デビューを果たしたオペラ歌手、松藤夢路様のコンサート。
木川さんのご尽力によりご帰国の際に当会で素晴らしい歌声を聞かせて下って
本当に感動致しました。

『 O Sole Mio』、それからプッチーニの代表作ジャンニスキッキより『O mio babbino caro 私のお父さん』と体から溢れる感情と美しい声に皆さんうっとり聞いてらっしゃいました。

今後の活躍にも期待しております。そしてまたIVSの会で歌ってください。



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スローフード協会馬場先生より乾杯のご発声を頂戴しましたが、
西村先生と同様、故川手代表が同席していると思って、5周年の祝杯を挙げて下さいました。

続いて、お料理とワインが振舞われ、瀬戸さんのクイズではワインやオリーブオイルの賞品を求めて、積極的にご参加頂きました。

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島商株式会社様よりオリーブオイルの協賛を頂戴しまして、より多くのプレゼントが提供されました。

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【本日のワインリスト】

今ご注文頂けますと参考価格から35%割引です。
1) “ラルス” スプマンテ・ブリュット・トレビアーノ IGT
  エミリア・ロマーニャ州 生産者:ラルス
  品種:トレッビアーノ
  コメント:フレッシュで爽やかな味わいです。
  ブリュットはすっきりした味わいの辛口タイプです。
   参考価格 1,100円
2) “サンタ・テレーザ” フラスカーティ・スペリオーレ・セッコ DOCG
  ラツィオ州 生産者フォンタナ・カンディダ
  品種:マルヴァジーア、トレッビアーノ、グレコ
  コメント:“サンタ・テレーザ”は、日当たりのよい南向きの斜面にある畑の名前です。
  花やフルーツ、ハーブを感じる繊細でエレガントな香りと生き生きとした酸味を楽しんでいただけるフラスカーティです。
   参考価格 1,550円
3) “レ・ラーヴェ” ヴェネト・ビアンコ IGT
  ヴェネト州 生産者:ベルターニ
  品種:シャルドネ、ガルガーネガ
  コメント: “レ・ラーヴェ”とは「溶岩」の意味。畑に溶岩が点在していたことに由来し、水はけのよい、ワイン造りに適した土壌を意味します。
   熟れた桃とバリック(小樽)からくるバニラの香りに、酸味とまろやかさを兼ね備えた、上品な味わいの白ワインです。
   参考価格 3,450円
4)“フェウド・モナチ” プリミティーヴォ・サレント・ロッソ IGT
  プーリア州 生産者:カステッロ・モナチ
  品種:プリミティーヴォ
  コメント:プーリア州を代表する赤ワイン。生き生きとした深い色合い。
  心地よい香りと味わいが印象的な、バランスの素晴らしいワインです。
   参考価格 1,600円
5) “サン・ロレンツォ” ロッソ・コーネロ DOC
  マルケ州 生産者:ウマニ・ロンキ
  品種:モンテプルチアーノ
  コメント:“サン・ロレンツォ”とはマルケ州の聖人「聖ロレンツォ」にちなんでつけられた畑の名。
大樽と一部バリック(小樽)を使って熟成させることで、ソフトなモンテプルチアーノに力強さとエレガントさが加わっています。   
   参考価格 2,100円
6) “マゼール” ヴァルテッリーナ・スペリオーレ・インフェルノ DOCG
  ロンバルディア州 生産者:ニーノ・ネグリ
  品種:キアヴェンナスカ
  コメント:方言で「おいしい、すばらしい」を意味する畑名を持つこのワインは、ヴァルテッリーナ・スペリオーレの5地区のなかでも特に条件の厳しいインフェルノ(地獄)地区で造られます。
  タンニンはしっかり、かつなめらか。重厚な味わいです。
   参考価格 3,750円
7) バローロ DOCG
  ピエモンテ州 生産者:フォンタナフレッダ
  品種:ネッビオーロ
  コメント:バローロ村の地名に由来し「イタリアワインの王様」と称えられるバローロ。
  昨今の凝縮感のある主張の強いバローロとは少々趣きの異なる、老舗ならではの奥ゆかしい味わい。
  大樽熟成らしい、おおらかさと慎しやかな印象を兼ね備えた1本です。
   参考価格 5,450円

今ご注文頂けますと参考価格から35%割引です。
【ワインのお求めは アルベロジャパン㈱ 立野さんまでどうぞ】
TEL03-3868-2048  Email: info@bellatina.jp

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2016年11月22日 (火)

【テーマ】:マルケ&アブルッツォ州のワイン

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場所:イタリアの中東部に位置する。

【マルケ州】
Marche(マルケ)と言う州名は、ゲルマン語の「辺境」を意味する「Merk」に由来する。
アペニン山脈によって中央から隔離された土地柄故であろう。アペニン山脈とアドリア海に挟まれた穏やかな自然あふれる州でなだらかな丘陵地70%、山岳地帯30%、平野はほとんどない。
気候は、地中海性の温暖な気候に恵まれ、葡萄だけでなく、オリープや穀物(小麦)の産地として知られている。
この州ワインは、日本においては総体的に知名度が低いため、コストパフォーマンスのいいものが多い。
マルケを代表するワインの上級クラスが狙い目である。将来、高くなる可能性が。。。。

【アブルッツォ州】
マルケ州の南に位置し、アペニン山脈とアドリア海の間で比較的南北に長い州であるが、その3分の2が山岳地帯で、残りも丘陵地帯で、平野は殆ど無い。マルケ州と似ているが、アペニン山脈の最も険しい部分にあたり、グラン・サッソ山(2914m)やマイエッラ山(2795m)等2500m超す山脈が連なる。気候は、マルケ同様穏やかな気候だが昼夜の寒暖差が激しい。

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ぶどう品種
ヴェルディッキオ種(白ぶどう):
 マルケ地方に古くからあった品種で、ブドウの色がヴェルデ(緑色)であったことからとスペッキオ(鏡)に由来して、こう呼ばれるようになったと言われている。
 ワインにすると緑がかつた麦藁色で、苦味があり、アーモンドの香りを含み、アロマがあって酸が高く熟成に耐える白ワインになる。
  産地
   海側のVerdicchio dei Castelli di Jesi(カステッリ・ディ・イエージ):ミネラリーでしっかりしたボディのタイプ
   山側のVerdicchio di Matelica(マテリカ):白い花の香り、エレガントであるタイプ
モンテプルチアーノ種(黒ぶどう):
 アブルッツォを中心にイタリアで多く栽培されている。豊かな芳香があり、まろやかでやわらかなタンニンが特徴で果皮が厚くフェノール類が多く、色調は深い。
  産地
   マルケ州のCONERO(コーネロ)は、アンコーナの南の丘陵地帯でコーネロ山の後ろに当たるコーネロ山塊に広がる畑で造られ、アドリア海からの風と強い日差しの影響で力強いフィネスを感じるワインができる。
  ※「ロッソ・コーネロ・リゼルヴア」が、2004年、「コーネロ」と改名しDOCGに昇格した。
   アブルッツォ州のMontepulciano d'Abruzzo(モンテプルチャーノ・ダブルッツォ)は、州全体に及び生産量も多く、品質的にはかなり地域差がある。L'Aquila(ラクイラ県)の渓谷産のぶどうがよいといわれている。

【ノヴェッロ】
 10月30日に解禁になる新酒のこと。

今年の出来(マルケ州 ウマニロンキ社より 10/3時点)は、
ブドウの状態:非常に良い。乾燥して晴れた9月の気候のおかげで、糖度の高すぎない、とても健康なブドウが育った。
気候:夏は涼しく、8月の初めに雨が降ったが、その後は2ヶ月間乾燥が続いた。
ワイン:量・質ともに良い、フレッシュなワインになるだろう。

【本日のワインに合わせるお料理】
Antipasto: 前菜盛り合わせ(モルタデッラ、フリッタータ、フンギのフリット)

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Secondo: 三元豚のワイン煮込み

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【ワインリスト】

①ワイン名:ノヴェッロ・マルケ ジェンマート 2016 IGT  12.0%
メーカー:ウマニロンキ社
産地:マルケ州
ブドウ品種:サンジョヴェーゼ、モンテプルチアーノ、ラクリマ・ディ・モッロ・ダルバ
醸造:手摘み。60%をカルボニック・マセラシオン(12-15日間)。 残りの40%を通常醸造(5日間)。
特徴:紫の色調が強いルビーレッド。カルボニック・マセラシオンの典型的な赤系ベリーのキャンディ香。
若々しい酸とタンニンで軽快な味わいのワイン。
料理:前菜、生ハムやサラミに合わせる。

②ワイン名:ヴェルディッキオ・クラッシコ・イエージ 2015 DOC  12.0%
メーカー:ウマニロンキ社
産地:マルケ州
ブドウ品種:ヴェルディッキオ
醸造:ソフトプレスで搾汁したモストを15日間、温度管理下で発酵させる。その後ステンレスタンクに移して静置し、瓶詰め。
特徴:緑がかった輝くレモンイエロー。フレッシュで柑橘系の果実の香りとミネラルの香り。
酸がきりっとして塩味のミネラルがありヘーゼルナッツのような味わいでアフターにヴェルディッキオの特徴の苦みも感じられるワイン。
料理:魚介を使った前菜、魚介のフリットに合わせる。

③ワイン名:カザル・デイ・セッラ・ヴェルディッキオ 2014 DOC 13.0%
     単一畑“カサル・ディ・セッラ”(丘の上の農家)
メーカー:ウマニロンキ社
産地:マルケ州
ブドウ品種:ヴェルディッキオ
醸造:ブドウ収量を通常のヴェルディッキオ収量の約半分にしてさらに遅摘みしたブドウをソフトプレス。ステンレスタンクで16~18度でアルコール発酵を行う。一部をマロラクティック発酵させ、シュール・リーで約5ヶ月ステンレスタンクで熟成させる。その後数ヶ月瓶内熟成させる。
特徴:レモンイエロー。白桃やリンゴの核果実(種が大きい)の香り。
なめらかな口当たりで果実のふくよかさ、凝縮さに加え塩味のミネラルを感じる味わいのワイン。
料理:バターを使った魚介料理、リゾット、白身肉料理に合わせる。

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④ワイン名:ビアンキ・モンテプルチアーノ・ダブルッツォ 2014 DOC 13.0%
メーカー:ウマニロンキ社
産地:アブルッツォ州
ブドウ品種:モンテプルチアーノ、カベルネ・ソーヴィニョン(僅か)
醸造:厳選したブドウを果皮と共に10日間マセラシオン。マロラクティック発酵後、 オークの大樽で3ヶ月熟成させる。
特徴:青紫がかったルビーレッド。レッドチェリー、スミレ、ハーブの香り。
軽快で透明感のあるフルーティな果実味。なめらかな口当たり、フレッシュな酸と柔らかなタンニンでジューシーな味わいのワイン
料理:ミートソースのパスタ、ピッツァに合わせる。

⑤ワイン名:サン・ロレンツォ ロッソ・コーネロ 2013 DOC 13.5%
     マルケ州の聖人”聖ロレンツォ”に由来の自社畑名
メーカー:ウマニロンキ社
産地:マルケ州
ブドウ品種:モンテプルチアーノ
醸造:ブドウは除梗後、ソフトプレスし、ステンレスタンクで10-12日間マセラシオン。アルコール発酵の後、マロラクティック発酵させる。
半分を5000-8000Lのオーク大樽で、残りの半分をバリック(3-4回目の使用小樽)で約12ヶ月間熟成させる。それらをブレンドしさらに6ヶ月の瓶内熟成させる。
特徴:紫がかったルビーレッド。ダークチェリー、ドライローズ、なめし皮、タバコ、キノコなど熟成香も出始め、複雑な香り。
凝縮した果実味と酸とのバランスがとれた味わい、きめ細かいタンニンで口当たりのよい味わいのワイン。
料理:肉料理、熟成したチーズに合わせる。

⑥ワイン名:クマロ コーネロ・リゼルヴァ 2012 DOCG 14.0%
メーカー:ウマニロンキ社
産地:マルケ州
ブドウ品種:モンテプルチアーノ
醸造:自社畑 “サン・ロレンツォ”で収穫されるブドウの中でも最高のブドウを使用して、アルコール発酵を27℃で10-12日間。続いてマロラクティック発酵を行なう。その後アリエ産とトロンセ産のバリック(小樽:一部新樽)で16ヶ月間熟成させ、最低7ヶ月間瓶内熟成させる。
特徴:ガーネットを帯びたルビーレッド。ダークチェリーのコンポート、黒こしょう、バニラ、たばこ、甘草、シナモン、黒糖など複雑な香り。
凝縮した果実味と酸とのバランスがとれ、シルキーなタンニンを持ち味わいは厳格で、しかしまだ硬い。まだまだ若いワインで飲み頃には時間が必要である。

料理:ビステッカ、ジビエ、熟したチーズ、エスニック料理に合わせる。   (瀬戸)

2016年10月23日 (日)

Guccione  ビオディナミワインを作る貴公子

今年2016年10月1日にVendemmia(葡萄の収穫)が行われました。

Guccioneが栽培する品種は白はTrebbianoとCataratto。赤はPerriconeというこのエリアの土着品種とNerello Mascalese。 

彼のカタラットとペリコーネは抜群に素直に美味しい!

今回初めて、念願の彼のワイナリーに潜入したのです。

下の写真はPerriconeの自然酵母による発酵中であり、毎日(Rompere il capello/Follatura)というかき混ぜる作業(パトナージュ))を行っている。彼はOscar君。母親がノルウェーで父親がシチリア人というハーフで、とてもBello ragazzo!

私も体験致しましたが、棒自体がとても重く、更に皮が表面に固まっているのを砕くには本当に腰から力を入れてやっとでした。なかなかの重労働。

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このPerricone品種のワインは一度試して頂きたい。他でなかなか見られない品種であり、ポテンシャルが高く、熟成させれば更に変化が楽しめます。2014年の若いヴィンテージでもプルーンやブラックベリーの豊かな香りと豊潤さを味わう事ができます。ビオディナミの作りと言う事もあり素直な葡萄本来の味わいとえます。

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さて彼がFrancesco Guccioneさん。こちらはカタラット品種。これも自然酵母発酵で、収穫翌日に私が体験した作業は表面に浮かぶ澱を掬い出しました。まともな器具もない為、ザルを使ってPazienza!の仕事だよと言われ、根気よく行いました。

そんな穏やかな彼の実家は地主であり農家を営む恵まれた家柄だったようで、

小さい頃、家族でおばあ様の別荘があるパンテレリア島で夏を過ごされたようです。そこにあのジョルジョ・アルマーニ氏がよく遊びにいらしていたそうです。

彼は画家でもあり、将来もっと世界を周って絵を描きたいと話していました。

とはいえ、10歳になる息子さんをシュタイナー教育の学校に入学させる時にどうやら彼の考えに感銘を受け、ビオディナミの世界へと踏み込んだそうです。

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さて、今日はグリッロの葡萄がTrapaniから100km程車で運ばれてきました。

よって、彼の葡萄ではないのですが、他のワイナリーの醸造を受持っているそうです。

彼のブドウのように柔らかくない為、圧搾機はしっかりと搾汁していきますが、

彼のブドウの場合は写真とは異なるソフトプレス圧搾機を使用します。

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畑はカンティーナから10分程車で行った実家の前に広がります。といっても6ヘクタール。

そこに、Trebbianoはペルゴラ式栽培、その他はコルドーネスペロナート栽培方法を取る。

ペルゴラ式は元々でやはり仕事のし易さから選択されたそうです。

東西南に開けた土地で太陽の光を常に浴び、風通しがよく、標高約500mで昼夜寒暖の差もある。

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土壌は全体的に白い石灰質と黒い粘土質が混ざっており、彼が言うには、昔丁度真ん中辺りに川が流れていただろうと推測する。よって、地深くには山の恵みである地下水があり、しかし、緩やかに傾斜を帯びる為、水はけは良いのだという。勿論水は与えない。

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シチリア全土がエトナ山の恵みを授かっているという。彼はやはり哲学的で、シチリア東側は噴火のようにエネルギーが湧き出ており、こちら西側はそれを吸収していると感じるそうです。

これは人によって異なるだろうけれど、旅をした時に感じるものがないだろうか。

今年初来日を果たした時、日本とシチリアに共通点を2つ見出したそうだ。

1つは火山国。もう一つは余りにも色々話したので忘れてしまったが海に囲まれた地形だったような...

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この井戸は今も湧水が出ている。昔はGuccione家所有だったが、行政の依頼で公共のものとなっており、いろんな人が水を汲みに来る。ところが、ペットボトルなどを捨てていくそうで、嬉しい状況ではないそうです。今日は帽子まで落ちていた。

車で走っていると隣人の羊たちに出くわした。長閑な光景と思ったら、葡萄畑に放置するらしく、彼の畑には入れないように禁じているそうです。 葡萄の木は実を収穫した後も生きている訳で、成長し、栄養を蓄えていきます。冬支度をするまでは剪定しないのと同様の理由ですね。

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さて、彼の家です。お父様が1968年のベリーチェ渓谷の地震の後少しずつ修復されたそうですが、本当に素晴らしい家でした。庭にはシチリアではOrtigiaにしか生息しないというパピルスも植えてあり、猫たちが幸せそうでした。豚や鶏もいましたが、昔はシチメンチョウも10羽近く飼っていたそうですが、飼い犬がある晩全てを殺ってしまったそうです。これも自然の姿ですね。

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豊かな土地なんですね。次々とトマト、パプリカ、カボチャと育って、野菜料理とワインを毎日欠かさず頂きました。

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ガンべロロッソに出して賞(トレビッキエリ?)を取った後、急に注文が来るようになったが、それ以降は出さないことにしたそうです。

Bioの畑は登録しているそうですが、Bioワインとしては特に申請せず、DOPなどにも興味がなく、

素直に自然のワインを追求した美味しいワインを求めている姿勢がまたセクシーである。

VdTの為、ビンテージはLotto番号の横に書いてあります。蝋キャップを使用しているボトルもあり、ラベルのセンスも良い。

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実際ワイン造りより行政の厳しいチェックや税金申告などの手続きの方がとても大変だと話していらしたが、水も2日に1回使用可という事業者に優しくない事が明らかでした。

この日は水を業者から高額で購入するという出費まで発生したのですから、苦労が絶えないようです。 それでもやはりシチリアの方であり、紳士なんですね。ポジティブな考え方やどんな人にも優しい接し方を見ると素晴らしいワインが生まれる理由が少し分かったような気がしました。

Guccioneのワインはパシフィック洋行㈱がインポートされてます。

Kyoko M Ottobre2016