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2017年4月12日 (水)

4月のLunch Time Tasting~トスカーナ州のワイン第3弾(ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ)

大手町のイルフルロにて。 IVS創設者川手さんの1周忌を迎えましたので、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノと共に偲ぶ会として開催させて頂きました。

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【テーマ】トスカーナ州のワイン 第3弾(ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ)

モンタルチーノ村の位置は、トスカーナ州シエナ県。シエナの中心街から車で43km、50分ぐらいで、標高は約550m。

モンタルチーノ産地は、ティレニア海とアミアータ山に挟まれた場所にあり、そのため昼間はティレニア海からの暖かい風、夜にはアミアータ山(1700m)からの冷たい風が吹くため、昼夜の寒暖差が大きい。

気候は、地中海性気候+大陸性気候で、年平均気温が12.4℃。年降雨量は690mmとブドウ栽培に適した気候である。

8世紀の頃のモンタルチーノ産のワインとしては、白のモスカテッロが知られていて、白の生産地であった。
その証として、17世紀の詩人フランチェスコ・レディの著書「トスカーナのバッカス」にも”モンタルチーノの高貴なモスカテッロ”という記述がある。
では、なぜ今日の赤ワインとして有名になったかのか?
そこに、1人の生産者「ビオンディ・サンティ」の存在がある。
1800年代の中期から後期にかけて、ビオンディ・サンティが自社畑からサンジョヴェーゼのクローン(ブルネッロ)を発見したことから始まる。
今までは、混醸で造っていたワインを単一醸造で大樽を使用し、長期熟成されるワイン「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」の誕生である。
このワインが、パリ万博で優勝したり他の展覧会でも好評化を得て、1968年にDOCに認定。
この当時は、サンジョヴェーゼは90%以上で他の品種も認められていた。
1980年、DOCGに昇格を機にサンジョヴェーゼ100%になった。
また、ここ50年でブルネッロの作付面積が60haから2100haと飛躍的拡大をしている。
熟成の仕方も大樽の変わりに小樽を使うようになり、ワインの風味バランスを考え樽熟成期間が、3年、2年とどんどん短くなった。
そのため多様のブルネッロが次々と誕生している。

そして、「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」の名声を高めた革新者も忘れていけません。
その生産者が、カステッロ バンフィである。
また、このワインを日本に紹介した人も忘れてはいけません。

IVSJapan創立者の川手さんです。

バンフィ社は、創立以来、土壌の分析、ブドウ栽培法の研究、土着品種であるサンジョヴェーゼ種のクローン研究、樽材や醸造法の研究を行ってきました。その革新とこだわりの例として以下をあげます。


【クローンの研究】
1983年、ミラノ大学と共同でブルネッロ・ディ・モンタルチーノ用のサンジョヴェーゼ種の研究を始めた。
モンタルチーノの非常に広範囲にわたるブドウ畑を分析し、そこに600種類以上のサンジョヴェーゼクローンが存在していることを突き止め、この中から良質かつサンジョヴェーゼの特徴を良くあらわしていると考えられるサンジョヴェーゼのクローンを15種類選別する。
そしてさらに、この15種類のクローンを何年にもわたって様々な畑で栽培し、ついに彼らの畑の土壌に最も適した3種類クローンに行き着いた。
【ブドウ選別】
手摘み収穫の際に選果は行うが、ワイナリーに着いた後に選果台の上で再度人の手による入念な選果を行う。
選果台をクリアしたブドウは房から外され粒だけの状態になる。そしてベルトコンベアで流れつつ光学センサー付きカメラで色・形を瞬時に自動画像解析によりチェックされ、基準に満たない粒は空気銃のようなものではじかれ、不良果が混ざらないようにしている。
【樽材】
バンフィ社は木樽(小樽)をそのまま買うのではなく、ただのオーダーメイドでもない。
フランスに樽の原料となる木材を買い付けに行き、カットの仕方も指定、カット済みの木は一旦バンフィ社に運ばれ、天日干しにされる。
雨ざらしになることで余分なタンニンが抜け、求める状態に仕上がったら、樽加工業者に送り、組み立ててもらうという手間と労力をかけている。
また、木樽の縦置き発酵槽の上部と下部のみがステンレス製になった“ホライゾン・システム”は、バンフィ社が樽メーカーとともに特許を取って、木とステンレスの長所を組み合わせた新しいシステムです。

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バンフィ社のワイン


【ワインリスト】
 ※人気度:今回のワインでどれがお好き(良かった)ですかのアンケート結果(1人5回まで31名の参加者)
①ワイン名:ブリュット メトド・クラッシコ NV V.S.Q.   人気度(11/31名)
メーカー:バンフィ社
産地:ピエモンテ州
ブドウ品種:ピノ・ネーロ、シャルドネ、ピノ・ビアンコ
醸造:メトド・クラッシコ製法でシャンパーニュと同じように、瓶内二次発酵させています。二次発酵後は、滓とともに最低24ヶ月熟成させます。 デゴルジュマン(オリ引き)は、2015年9月 12.5%
特徴:輝きのある淡い麦わら色で持続性のある細かい泡。洋ナシの香、イースト香、ミネラルを感じる香り。
   爽やかで活き活きとした酸との調和のとれた味わいを持つスパークリングワインです。
料理:食前酒、アンティパスト、シーフードに合わせる

②ワイン名:リーヴォ・ビアンコ 2015 I.G.T  Rivoとは、「小川」の意味。   人気度(19/31名)
メーカー:バンフィ社
産地:トスカーナ州
ブドウ品種:シャルドネ、ソーヴィニョン・ブラン
醸造:12-16℃の温度管理下で発酵。低温で静置する。ステンレスタンクで約3カ月熟成後、瓶詰め 12.5%
   シエナとフィレンツェの間にあるキアンティの丘陵地帯にある、海抜350-400mの日当たりの良い畑で石灰岩、泥灰岩、粘土などの多様な土壌。
特徴:輝きのある緑がかったレモンイエロー。柑橘系の香り、ほのかなソーヴィニヨンからの芝、下草の香り。
   味わいは心地よい果実味と活き活きとした酸とのバランスが良く、塩味もあり、透明感のあるフレッシュな辛口白ワイン。
料理:軽めの前菜、オードブル、魚介類、シンプルな鶏の料理に合わせる。

③ワイン名:チェンティネ・ロッソ 2013 I.G.T “チェンティネ”とは、ブドウを収穫する畑を見晴らす高台にある農場名   人気度(12/31名)
メーカー:バンフィ社
産地:トスカーナ州
ブドウ品種:サンジョヴェーゼ、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー
醸造:ブドウは短時間マセラシオン。アルコール発酵、マロラクティック発酵が終わったら、小さなオーク樽で短期間熟成させ、収穫の翌春に瓶詰め。13.5%
特徴:鮮やかなルビーレッド。スグリやブラックチェリーの香りにフローラルな香りもある。
   豊かな果実味と適度なタンニンもあり、気取りのない味わいの赤ワイン。
料理:パスタ、チーズに合わせる。

④ワイン名:ロッソ・ディ・モンタルチーノ 2014 DOC   人気度(13/31名)
メーカー:バンフィ社
産地:トスカーナ州
ブドウ品種:サンジョヴェーゼ 100%
醸造:1ha当たり7トン収穫量にしたブドウを厳選し収穫。7~10日間マセラシオン。一部をフランス産の小樽に、一部をオークの大樽に入れて12ヶ月熟成。その後最低6ヶ月以上瓶内熟成。13.0%
モンタルチーノ南面丘陵に位置する海抜100mの自社畑。土壌は、明るい褐色でまばらに岩石を含む石灰質の表土。
<株密度>4100本/ha 仕立ては、コルドン
特徴:ルビーレッド。フレッシュでブラックチェリーやすみれ、スパイスの感じられる香り。
   豊かな果実味と豊かな酸味がありバランスがとれていて、きめ細かいタンニンとスパイシーさも加わり複雑な味わいの赤ワイン。
料理:肉料理、中期熟成チーズに合わせる。

⑤ワイン名:ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ 2011 DOCG   人気度(27/31名)
メーカー:バンフィ社
産地:トスカーナ州
ブドウ品種:サンジョヴェーゼ 100%
醸造:1ha当たり6トン以下の収穫量にしたブドウだけを厳選し収穫。10~12日間マセラシオン。50%はスラヴォニア産オークの大樽(6000L~12000L)残りはフランス産の小樽(350L)で2年間熟成、その後最2年間瓶内熟成でトータルの熟成期間は4年。
モンタルチーノ南面丘陵に位置する海抜220mの自社畑(170ha)。土壌は、丸い小石を含む、黄土色の石灰砂質表土。 14.0%
<株密度>2400~4400株 仕立ては、コルドン
特徴:ガーネット色。凝縮したブラックベリーの香り、ミントの香りとわずかにバニラを思わせる香り、リコリスやスパイス、タールな香りもあり複雑である。
アタックは、凝縮した果実とビロードのような舌触りのタンニンとの調和したフルボディの赤ワインでまだまだ若い。
料理:牛肉のロースト、熟成したチーズに合わせる。

【お料理】

Antipasto: トスカーナ風 前菜盛り合わせ(アクアコッタ、フィノッキオーナとペコリーノトスカーノ、クロスティーニ・ディ・フェーガト)

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Primo:鴨とグリーンピース、そら豆のグラムージャ風パッパルデッレ

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Secondo:牛肉のタリアータ 菜の花と筍を添えて

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IVS Japan 事務局