2020年2月 9日 (日)

2月のLunch Time Tasting レポート@FIGLIO di Cento anni

渋谷のフィッリにて2月のLTTを開催いたしました。

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テーマ:ヴェネト州のワイン

ヴェネト州(州都は水の都ヴェネツィア)の位置は、イタリア北東部アドリア海に面し、北部はアルプスやオーストリアとの国境、
ドロミティ渓谷に代表される山岳地帯、西をロンバルディア州、東はフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州、
南は、ポー川流域の平野で川を挟んでエミリア・ロマーニャ州と接する。
総面積の57%を占める平地が中心で、丘陵地帯14%、山地は29%
気候は非常に変化に富み、温和な気候・寒冷気候など多様。
代表的ワインは、
プロセッコ・・・世界一売れているスパークリングワイン
        品種は、グレラ種
ソアーヴェ・・・イタリアを代表される白ワイン
        品種は、ガルガーネガ種、トレビアーノ・ディ・ソアーヴェ種
ヴァルポリチェッラ・・・イタリアを代表される赤ワイン
            品種は、コルヴィーナ種、ロンディネッラ種、モリナーラ種、オゼレッタ種、クロアチーナ種
            その他土着品種、サンジョヴェーゼ、CS、CF、Meなどの国際品種

今回は、この赤ワインの3種をブラインドします。
イタリア北東部ヴェネト州ヴェローナ近郊約6,000ha レッシーニ山脈とガルダ湖の間に位置します。
このエリアは、3つから成り立ちます。
ガルダ湖に近い方から1番目は「クラシコ エリア」2番目に「ヴァルパンティーナ エリア」、3番目に「東部ヴァルポリチェッラ エリア」
このエリアの東側はソアヴェ地区になります。
ここは、気候温暖な地中海性気候 降雨量:900~ 1100mm/年
北から南に丘が並行して連なる 標高 主に火山性の石灰質
ヴァルポリチェッラワインは、多様性がある。
①ヴァルポリチェッラDOC ②ヴァルポリチェッラ・クラシコDOC 
③ヴァルポリチェッラ・スーペリオーレDOC ④ヴァルポリチェッラ・リパッソDOC
⑤アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラDOCG ⑥レチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラDOCG

ワインのユニークな造り方について
パッシート(アパッシメント)は、ブドウを陰干してワインを造る
 起源は、古代ローマ時代と言われている。もともとは、甘口のレチョートを造る製法だった。
 ぶどうを収穫後約3~4か月間、フルッタイオ(乾燥させるための倉庫)で陰干しする。
 年によりこの干す期間は異なる。多くの造り手は、ぶどうの中の水分を30~40%を取り、半乾燥状態にする。
 また、このことによりボトリニス菌(貴腐菌)の影響を受けやすくなる。(特にコルヴィーナ種、次にモリナーラ種)
 果皮の色が茶色がかり、棟分が凝縮する。また、グルコン酸、アミノ酸が増加するが、リンゴ酸は、減少する。
 ポリフェノール(タンニンなど)が凝縮、乾燥による風味が強く感じられる。
 乱暴な言い方で分類すると、陰干しで甘口に造ると「レチョート」。辛口に造ると「アマローネ」

リパッソは、再発酵させてワインを造る。
 甘い赤ワイン(干したぶどう)から偶然に辛口になったワインがリパッソの始まりと言われている。
 「アマローネの絞った糟」+「ヴァルポリチェッラ」 = 「リパッソ」
  アマローネの香りや味わいを出すためには最低90日の陰干し必要である
 具体的には、ヴァルポリチェッラを造る過程で、一度アルコール発酵されたワインをアマローネを造った絞り糟が残る樽の中に加えて
 その中に残った糖分で再度アルコール発酵させて造る。ここで重要なことは、アマローネを造った糟を使うことが必須です。

今回の赤ワインは、エリア違い? ワインの造り方違い? どちらでしょうか
答えは、赤の3番目(全体では4番目)のワインは、ぶどうを陰干ししないで発酵させたワイン。
    赤の5番目(全体では6番目で最後)のワインは、ぶどうを100日~120日間陰干して発酵させたワイン。
    赤の4番目(全体では5番目)のワインは、赤の最後のワイン(全体の6番目)を造った際の糟が残る樽に、赤の最初のワイン(全体の4番目)を
    入れて再発酵させたワイン。
    ということで、ワインの造り方の違いでした。
    同じ造り手のワインなので、そのあたりが感じ取れたでしょうか

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【ワインリスト】
①ワイン名:ブラック ブリュット  NV    11.5%
メーカー:サンテロ社 (ピエモンテ州)
産地:ヴェネト州
ブドウ品種:グレーラ50% シャルドネ30% ピノ・ビアンコ20%
醸造:ヴェネト州の畑でぶどうを収穫後、圧搾、プレスし、ステンレスタンク内で発酵および熟成。加圧タンクで二次発酵(シャルマ方式)。 
特徴:輝きを帯びた黄色がかった麦わら色。力強い泡立ち。柑橘系のフレッシュな香り、白い花のフローラルな香り。
   味わいは、フレッシュな果実味と程よい酸味で優しい口当たりでバランスがよく、塩味のミネラルを感じつつフレッシュなスパークリングワイン。
料理:アペリティーヴォ。

②ワイン名:ビアンコ ディ クストーザ DOC 2018   12.0%
メーカー:テッレ・ディ・マリア・ピア社
産地:ヴェネト州
ブドウ品種:トレッビアーノ・トスカーノ主体(フリウラーノ ガルガネーガ コルテーゼ マルヴァージア リースリング ピノビアンコ シャルドネ)
醸造:ガルダ湖の南東部のブドウを収穫後、ステンレスタンクで発酵後、タンクと瓶で6ヶ月間の熟成。
特徴:輝きのある緑がかったレモンイエロー。シトラス、フローラル(白い花)のアロマに加え、オレンジ、フレッシュハーブの華やかな香り
   味わいは、フレッシュな果実味とイキイキとした酸味。すっきりとした辛口な白ワイン。
料理:カプレーゼ、ボンゴレビアンコ、魚介のサラダ、天ぷらに合わせる。

③ワイン名:ベルターニ ベルタ ロゼ キアレット 2018 IGT 12.0%
メーカー:ベルターニ社
産地:ヴェネト州
ブドウ品種:モリナーラ75%、メルロー25%
醸造:9月末にブドウを収穫。2種は別々に醸造。メルローは約12時間マセラシオン、スキンコンタクトはせずに、約10日間発酵
   モリナーラは、伝統的な製法でスキンコンタクトさせ、約10日間発酵、それぞれ発酵後、2種のワインをブレンド。ステンレスタンクで、シュール・リーの状態で約3ヶ月熟成
特徴:非常に薄いピンク色。チェリーなどの赤いベリー、白い花、スパイシーな香り。
   味わいは、テクスチャーがあり透明感もある。フレッシュな果実味と伸びやかな酸、塩味を感じる辛口なロゼワイン。        
料理:アンティパスト、野菜のスープ、焼き鳥や中華料理全般。

④ワイン名:ヴァルポリチェッラ ヴァルバンテーナ アルタロル DOC 2018 12.5% 
      アルタロルとは、マウロ氏のお母さんが大切に思っていた教会の名前から取っています。
      お母さんが亡くなってから造ったワインだったため、この名前を付けたそうです。
メーカー:コルテ フィガレット社
ブドウ品種:コルヴィーナ、ロンディネッラ、モリナーラ、オゼレッタ、コルヴィノーネとクロアチーナ 比率は非公開
醸造:フィガレットエリアのブドウを収穫後、50ヘクトリットルのステンレスタンクで発酵。
特徴:ルビーレッド。ブルーベーリー、スミレ、バラ、甘草、シナモン、ナッツ、コショウ、ナツメグ、
   味わいは、透明感がありフレッシュな果実味で軽やかなボディ。イキイキした酸味があり軽快でチャーミングな赤ワイン
料理:豚肉、トマト系のパスタに合わせる。

⑤ワイン名:ヴァルポリチェッラ スーペリオーレ リパッソ ヴァルバンテーナ アチニ アメニ 2017 DOC  13.5% 
      アチニ アメニとは、天国に有る葡萄の実という意味。グリーンハーベスト後の葡萄を例えて付けられた。
メーカー:コルテ フィガレット社
産地:ヴェネト州
ブドウ品種:コルヴィーナ、ロンディネッラ、モリナーラ、オゼレッタ、コルヴィノーネとクロアチーナ 比率は非公開
醸造:フィガレットエリアのブドウを収穫後、スペリオーレ、ベースと同じく、ステンレスタンクで発酵したヴァルポリチェッラを、発酵終了したアマローネのカスが残った樽に加え、8日間再発酵を行なう。(リパッソ方式)。その後、カスとしっかり分ける。その後バリック(新樽25%、残り1年から2年樽)で18か月熟成。
特徴:濃いルビーレッド色、ガーネット、オレンジ?。ブラックチェリーやざくろのような香り、樽からのナッツ、コーヒーのような香りと白コショウ、ドライローズ、クローヴやたばこの香りなど複雑。
   味わいは、ふくよかで豊かな果実味とシルキーなタンニン、調和のとれた伸びやかな酸味でバランスがとれ、しっかりとした骨格を持つ辛口赤ワイン。
料理:肉料理全般、中華料理に合わせる。

⑥ワイン名:アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ ヴァルバンテーナ  ブロロ デル フィガレット 2015 DOCG  14.0%  
      ブロロ デル フィガレットとは、フィガレットの壁に囲まれた。という意味で、このエリアから産み出される特別なワインの象徴として付けられた
メーカー:コルテ フィガレット社
産地:ヴェネト州
ブドウ品種:コルヴィーナ、ロンディネッラ、モリナーラ、オゼレッタ、コルヴィノーネとクロアチーナ 比率は非公開
醸造:収穫後、100日~120日陰干しを行い、ステンレスタンクで発酵。発酵温度は他のワインより低めの18~20℃で45日から50日掛けて行ない、24ヶ月バリックで熟成
特徴:濃いルビーレッド色、ややガーネット。ブラックチェリーやざくろのような香り、ナッツのような香りと黒コショウ、ドライローズ、クローヴなど複雑な香り。
   味わいは、ふくよかで豊かな果実味とシルキーなタンニン、調和のとれた伸びやかな酸味でバランスがとれ、しっかりとした骨格があり力強い辛口赤ワイン。しかしまだ若い。
料理:肉料理全般、特にジビエに合わせる。

【お料理】

①Antipasto Misto 前菜の盛り合わせ

②あさりと春キャベツのアーリオオーリオ

③ラム肉の白ワインカレー煮込み クスクス添え

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本日の会場

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【場所】フィリ ディ チェント アンニ (FIGLI di CENTO ANNI)
    東京都渋谷区道玄坂1-22-12 和孝渋谷ビル 1F




IVS Japan事務局