2019年2月14日 (木)

2月Lunch Time Tastingレポート~同一品種飲み比べ

2月9日(土)LTTは、イルフルロにて開催し、赤白各3種類、計6アイテム、テイスティングいたしました。

テーマ:同一品種による州別の違い

イタリアワインは、他の国には見られない多様性に富んでいる。ぜなら、国土が南北に長く、北側にアルプス山脈、イタリアの背骨と呼ばれるアペニン山脈、海に囲まれた半島であり、このような環境下では、様々な気候風土が存在し、独自の文化(食生活)が古くから受け継がれてきた。
そのため、郷土料理に合うワインの存在がある。ワインを造るためのぶどうが、それぞれのテロワールにあった栽培が行われている。

今回は、実際に同じ品種でも地域が違うと本当に違うのかを料理と共に楽しみましょう。

イタリアは、全20州あります。分かりやすく今回は、北イタリア、中部イタリア、南イタリアの3分割して考えてみましょう。

そこから州は、どこか? 幅広く栽培されている品種は何か?

こんな感じで絞り込んでみてください。

今回の白ワインの品種は、ヴェルメンティーノです。

他の多くの品種と同様、このブドウの起源も明らかになっていないが、ポルトガル、スペインのマルヴァジアとマルヴォワジーがコルシカ島へ入り、その後リグーリア州、トスカーナ州へ普及したルートとコルシカ島からサルデーニア島へのルートがあり、現在も広くヴェルメンティーノが栽培されています。

お隣のフランスですが、この品種は、フランス南部プロヴァンス、コルシカ島でRolle/ロールと呼ばれ栽培しています。
プロヴァンス産のロゼワインを造る際には欠かせないブレンド品種、コルシカ島では一番多く栽培されている白ブドウ品種です。
ブドウ国際品種目録(英語版) (VIVC) では現在、この品種の原産地はイタリアとされています。

主な産地
・サルデーニャ州、トスカーナ州、リグーリア州(別名:ピガート)、ピエモンテ州(ロエロ、ベルボ、アスティ、アレッサンドラでは、別名:ファヴォリータ)


今回の赤ワインの品種は、サンジョヴェーゼです。

イタリアの多くの州で栽培されている品種です。その起源は、これも不確かであるが、エトルリア時代にイタリア中部~南部に広がった品種で、最近のDNA鑑定でサンジョヴェーゼは、南イタリアで栽培される品種のCalabrese Montenuovo、Negro Dolceと親戚関係といわれます。
また、トスカーナのCiliengioloチリエジョーロ種は、直属の子孫。そんなサンジョヴェーゼの名前の起源も諸説あります。

・地名のSan Givanni Valdarnoよりサンジョバンネーゼsangiovannese
6月1日のサンジョヴァンニ バッティスタ祭りの頃早めに開花するため、早熟のブドウを方言でサンジョヴァンニーナSangiovannina。

・ロマーニア州サンタルカンジェロの近くのMonte Giove(ゼウスの山)より Sangue di Gioveサングエ ディ ジョーヴェ Blood of Zeusゼウスの血。ギリシャ神話では、ゼウスでローマ神話ではユーピテル(ジュピター)
(ゼウスは天空神として、全宇宙や雲・雨・雪・雷などの気象を支配)

54種のクローンが正式に認められているそうです。

ただし、基本的には2種類
・サンジョヴェーゼ・ピッコロ(フォルテ、モンタニーノ)
 トスカーナでは、サンジョヴェート・ピッコロと呼ばれ、各県にいくつか広がっている
 サンジョヴェーゼ ディ ロマーニア、サンジョヴェーゼ デル ヴェルッキオ
・サンジョヴェーゼ・グロッソ(ドルチェ、ジェンティーレ)
 トスカーナでよくサンジョヴェート・グロッソと呼ばれ、サンジョヴェート ディ ラモーレ(グレーヴェーフィレンツェ県)、
 プルニョーロ ジェンティーレ ディ モンテプルチャーノ(シエナ県)、ブルネッロ ディ モンタルチーノ(シエナ県)、
 モレリーノ、カラブレーゼ、ネリーノ

ちなみに、お隣のフランス領コルシカ島では、ニエルッキオ(Nielluccio)。

主な産地
エミリアロマーニア州、トスカーナ州

51710871_2161051357274149_123866196


【ワインリスト】

①ワイン名:’ラ カラ’ ヴェルメンティーノ DOC 2016  13.0% 
       “ラ・カラ”とは、「小さな湾」という意味。地中海の風の恵みを受けた畑の名前。
メーカー:セッラモスカ社
産地:サルデーニャ州
ブドウ品種:ヴェルメンティーノ100%
醸造:アルゲーロ(北東)の自社畑のぶどうを9月下旬に収穫。事前に厳選した一部のブドウを乾燥させておく。
   除梗後、プレスし、すみやかにコールドマセラシオンを行う。
   ソフトプレス後のモストは、清澄後、低温に管理されたタンクで発酵。
特徴:緑がかったレモンイエロー。カリン、白桃、フローラルの香り。
   味わいは、果実味と伸びやかな酸と塩味のミネラルが感じられ、フレッシュでバランスが良い。後味に苦みがあり全体を引き締めている。
料理:アンティパスト、野菜バーニャカウダ、魚貝料理に合わせる



②ワイン名:マレンマ・ヴェルメンティーノ DOC 2017 13.5%
メーカー:テヌータ サッソ・レガーレ社
産地:トスカーナ州
ブドウ品種:ヴェルメンティーノ 100%
醸造:9月上旬にぶどうを収穫して、ソフトプレス後、温度管理されたステンレスタンクで発酵させ、
   ステンレスタンクで5か月間のシュール・リー。
特徴:輝きのある淡いレモンイエロー。レモン、ライムなどの柑橘系、タイム、ローズマリーなどのハーブ、白い花の香り。
   味わいは、豊かな果実味と伸びやかな酸、塩味のミネラルを持ったフレッシュな辛口の白ワイン。
料理:リゾット、タコやイカのパスタ、魚貝料理に合わせる。


③ワイン名:エチケッタ・グリージャ コッリ・ディ・ルーニ・ヴェルメンティーノ 2017  12.5% 
       “エチケッタ・グリージャ”とは、「グレーのラベル」、の意味です。
メーカー:ルナエ社
産地:リグーリア州
ブドウ品種:ヴェルメンティーノ100%
醸造:ブドウは9月初旬に収穫、その後、収穫したその日中にソフトプレスされ、15℃に管理されたステンレスタンクで発酵。濾過を経て、2月初旬まで静置、その後瓶詰め。
特徴:淡いストローイエロー。香りは華やかでジャスミン、シトラス、白桃、ハーブ、黄色い花、ミネラルの香り。
   味わいは、フレッシュな果実味と活き活きとした酸、塩味のミネラルがあり軽やかな辛口の白ワイン。
料理:アンティパスト、魚貝料理に合わせる。

④ワイン名:サンジョヴェーゼ デッル ウンブリア  IGT 2017   13%
メーカー:ビジ社
産地: ウンブリア州
ブドウ品種:サンジョヴェーゼ100% サンジョヴェーゼは、ウンブリアの丘陵地帯の広い地域で生産され
醸造:
特徴:ルビーレッド。ブラックチェリー、スミレ、ローズの香り。
   味わいは、優しい口当たりで豊かな果実味、程よい酸と軽やかなタンニンを持った軽快な赤ワイン。
料理:アンティパスト、パスタ料理、ピッツァ。

⑤ワイン名:マエストリ・ディ・ヴィーニャ ロマーニア・サンジョヴェーゼ・スペリオーレ DOC  2017  13.5% 人気度(X/25名)
メーカー:ファットリア・パラディーゾ社
産地:エミリア・ロマーニャ州
ブドウ品種:サンジョヴェーゼ100%
醸造:手摘みで収穫したブドウをステンレスタンクでアルコール発酵させ、6-7ヶ月熟成。
特徴:紫がかった濃いルビーレッド。熟したブラックチェリー、甘草等の甘いスパイス、スミレの香りが複雑。
   味わいは、芳醇な果実味と程よい酸味。まろやかなタンニンを持ちエレガントな辛口の赤ワイン。
料理:アンティパスト、トマトソースのパスタ、生ハム、サラミのミスト

⑥ワイン名:ロッソ・ディ・モンタルチーノ 2016  13.5% 
メーカー:バンフィ社
産地:トスカーナ州
ブドウ品種:サンジョヴェーゼ100%
醸造:モンタルチーノ南面の丘陵にある自社畑明るい褐色でまばらに岩石を含む石灰質の表土の畑から厳選したブドウを収穫。
   7~10日間マセラシオン。一部をフランス産のバリックに、一部をオークの大樽に入れて12ヶ月熟成。その後最低6ヶ月以上瓶内熟成させる。
特徴:赤紫がかったルビーレッド。ブラックチェリー、プラム、ローズ、タバコ、シナモン、甘草等のハーブの香り。
   味わいは、しっかりした果実味で心地よい酸と細かなタンニンだけど収斂性を持ち余韻が長い。優美な辛口の赤ワイン。
料理:肉料理全般、中華料理、熟成したチーズ。

【合わせたお料理】

ソプレッサータと温野菜のミスト

ペンネのカルボメッツァグラタン

スカモルツァとリコッタ・アッフミカート風味

イベリコ豚肩ロースの香草オーブン焼き プッタネスカソース

51635317_390595814850225_25659755_2

52258618_409332106469002_2804929826



51689246_254425362134041_6643399956

51630087_1987346081571169_248681347



次回は2月24日にスペシャルLTT・エミリアロマーニャ州をテーマにトレガッティで開催いたします。(満席御礼)

3月10日LTT(新宿・スパッカナポリ)、3月30日四ツ谷でお花見は現在ご参加受付中です!

IVS Japan事務局


■■■ 2月 LTT ランチタイムテイスティング 

テーマ:『州違い同品種、赤白3種の飲み比べ』 

南北に長いイタリア半島、20州各地で作られるワインには地形的な風土・気候の違いもあります。

2月のLTTでは同じ品種による州の違いによるテイスティングでイタリアワインの更なる魅力に迫ります。  

【日程】2月9日(土)12:00~14:00

【会場】イルフルロ(大手町・神田)
    東京都千代田区内神田1丁目2−6 産広美工ビル1F
 【会費】IVS会員: 3,500円 ビジター:4,500円 
    ※当日の入会で会員価格が適用されます。
    ※キャンセルチャージ:前日及び当日のキャンセルは100%