2019年5月23日 (木)

5月のLunch Time Tasting レポート~ピエモンテ州のワイン~

5/18(土)テーマは【ピエモンテ州】で開催致しました。

お天気に恵まれて、会場の銀座・アルケントーレの大きな窓からも日差しが入ります。

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今回も満席御礼で沢山の会員様、会員以外の初参加の方にもご参加頂き賑やかな会となりました。

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ピエモンテ州は、アルプス山脈の南側に位置し、ピエモンテ「山(モンテ)の足(ピエ)もと」という意味通りの州である。ボルドーと同じ緯度に位置する。
北側はヴァッレ・ダオスタ州、東はロンバルディア州、エミリアーロマーニャ州、南はリグーリア州。
ピエモンテ州都のトリノは、イタリア王国の首都になり、歴史的にもイタリア統一に非常に大きな役割を果たした都市である。
気候は、典型的な内陸性気候で、季節のメリハリと一日の中での寒暖差が激しい。
食としては、トリュフをはじめとしてポルチーニやジビエなど山の幸が豊かで、チーズ、バターなどの乳製品も豊富。
また、ドルチェの種類が非常に豊富でトリノのチョコレート(ビチェリンなど)に始まり、数多くの焼き菓子やマロングラッセ、ザバイオーネなどがある。
フランスに隣接するこの地をかつて支配していたサヴォイア王家が、フランスのサヴォア地方出身であたことからフランスの影響が多くみられる。また、スローフード運動もこの州のブラから。
アルプスからミネラルを多く含んだ雪解け水が、多くの川(セシア川、タナロ川など)を通じてぶどう畑に影響している。
ぶどうの栽培面積は、44,579ha
ワイン平均生産量は、2.5百万ヘクトリットル
17つのDOCGと45つのDOCを有する。

北ピエモンテについて
ノヴァーラ、ヴェルチェッリ県でDOCGゲンメとガッティナーラ、DOCシッツァーノなどネッビオーロで力強い赤ワインが造られる。特にゲンメは、3大ブルーチーズのゴルゴンゾーラの産地。
この地方の重要なファクターにセシア川がある。右岸がゲンメ。左岸にガッティナーラである。
過去には、バローロにも勝る名声を誇っていた。ボディーがしっかりしていて、深みがあり、パワフルで長期熟成が必要なワインを生産する。ゲンメの方が、ガッティナーラに比べて優美である。
大陸性気候で冷涼だが、夏の日中はかなり暑くなる。夜にアルプスからの冷涼な風がブドウにとって良い影響を与える。
南ピエモンテのバローロと比較するとやや軽めでフレッシュなもので果実味とりフローラルやスパイスのトーンが強く出る。

南ピエモンテについて
クーネオ県ランゲ地方・ロエロ地方
アルバを中心にタナロ川の南側に広がるエリアをランゲ地方、北側をロエロ地方と呼ぶ。
この辺り一帯は、2014年にイタリアで50番目の世界遺産として「ピエモンテの葡萄畑の景観」として登録された。
素晴らしい自然景観に加え、古代ローマ時代からブドウ栽培、ワイン造りが行われてきたという史実に基づく認定といえるでしょう。
この地域では、ネッビオーロの他に、バルベーラ、ドルチェット、アルネイス、ファヴォリータ、シャルドネ、ソーヴィニヨン、モスカートなど多くの品種が作られている。
特にランゲ地方は、世界的に名声を誇るバローロ、バルバレスコを生み出す産地で、ブドウ栽培においてイタリア内でも最重要のエリア。
バローロは、法定熟成期間3年、アルコール13%以上で力強く、口当たりの厳格なワインでワインの王様。
バルバレスコは、法定熟成期間2年、アルコール12.5%以上でバローロと同様に力強いワインでが、バローロより口当たりが優しいワインでワインの女王。
この地方の重要なファクタにタナロ川があり、右岸がバローロ、バルバレスコ。左岸にロエロ。
バローロなどの右岸に比べて砂質土壌が多いロエロは、チャーミングな果実味をもった魅力的なワインが造られる。
バローロなどよりも早く楽しむことができる。
ロエロの辛口白ワインは、アルネイスから造られ、ガヴィの対極にあり、口当たりがまろやか(酸が低い)で華やかな香りを持つ。

なかでも、ラ・モッラ、バローロ、モンフォルテ・ダルバ、セッラルンガ・ダルバ、カスティリオーネ・ファッレットの5つの村が重要な産地。
東側のモンフォルテ・ダルバ/セッラルンガ・ダルバ/カスティリオーネ・ファッレットのエリア(セッラルンガ渓谷)は鉄分が多い急峻な地形で、タンニンのしっかりした骨格のあるバローロとなる。

今回のフォンタナフレッダは、セッラルンガ、ヴィエッティは、カステリオーネ ファレットに居を構えている。一方、西側のラ・モッラ/バローロ(バローロ渓谷)はマンガン、マグネシウムが多く砂質や泥灰土の多い比較的なだらかな地形で、より香り高く優美で柔らかな味わいとなる。

バローロ、バルバレスコの当たり年
06、04、01、99、98、97、96、90、89、85、82、78、71、70、64、61、58、47

アスティ地方・モンフェッラート地方
バルベーラ、モスカート、グリニョリーノ、ドルチェット、ブラケット、フレイザ、ルケといったバラエティーに富んだ多くのブドウ品種が作られる。
特にバルベーラの一大産地であり、2つのDOCGになるクオリティーの高いバルベーラが生み出される。

ランゲやロエロ地方

一般的に最高の畑にはネッビオーロが植えられバルベーラはその次の畑に植えられるが、アスティ地方、モンフェッラート地方では一番良い条件の斜面の畑にバルベーラが植えられるというのが理由のひとつである。
バルベーラダスティやバルベーラデルモンフェッラートなどアルコールと酸味に富む熱いイタリアワインらしいものが造られる。
隣のアレッサンドリア県

バルベーラの対極にあって酸味の少ないドルチェットでドルチェットダックイ、ドルチェットディオヴァーダが造られる。
アスティ県とアレッサンドリア県で最も生産量が多く大量にドイツやイギリスなどに輸出されるスパークリングワインのアスティスプマンテがモスカートビアンコで造られ、パーティーの締めくくりには、デザートと共にこれらのワインが供されるのが、現地ではお決まりだが、今回は初夏のような暑い気候となり、ウエルカムドリンクとして提供しました。

【ワインリスト】

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①ワイン名:アスティ・セッコ 958 DOCG  NV  11% 
メーカー:サンテロ社
産地:ピエモンテ州
ブドウ品種:モスカート ビアンコ 100%
醸造:ぶどうを収穫してステンレスタンクにて一次発酵し、シャルマ方式。 
特徴:輝きのあるストローイエロー。マスカットの華やかな香り、フローラルな香り。
   味わいは、さわやかな果実味と酸味のバランスが非常によく、透明感があるやや辛口でチャーミングなスパークリングワイン。
料理:アペリティーヴォ。

②ワイン名:ロエロ・アルネイス  DOCG 2017 13% 
メーカー:フォンタナフレッダ社 
産地:ピエモンテ州
ブドウ品種:アルネイス100%
醸造:ドウを収穫後、収穫後、すぐにソフトプレス。モストは冷やして澱引き後、ステンレスタンクで低温発酵。
   発酵後はマロラクティック発酵させない。低温で澱とともに4-5ヶ月ステンレスタンクに置き、瓶詰して出荷。
特徴:グリーンを帯びたストローイエロー色。トロピカルフルーツ、熟した洋ナシ、白桃、サンザシの花、アカシヤの蜂蜜の香り。
   味わいは、軽快な果実味と伸びやかな酸、塩味のミネラル、後味に苦みやリコリスを感じるフレッシュな白ワイン。        
料理:アンティパスト、ホワイトソースのリゾットやパスタ。

③ワイン名:バルベーラ・ダルバ・モラッシーナ DOC  2014   14.0% 
メーカー:ジョゼッペ・コルテーゼ社
産地: ピエモンテ州
ブドウ品種:バルベーラ100%
醸造:バルバレスコエリアの「モラシーナ」のぶどうを収穫し、セメントタンクにて天然酵母による発酵し、一部フレンチバリックにて熟成(新樽30%)、残りを17hlのスラヴォニア大樽にて18か月熟成。
特徴:赤紫色からガーネットへ。チェリー、スミレ、甘やかな香りでリコリスなどハーブの香り、カカオの香り。
   味わいは、シルキーな口当たりで豊かな果実味、伸びやかな酸と程よいタンニンがありバランスがとれた辛口赤ワイン。
料理:アンティパスト、野菜料理やパスタ料理、ウサギのローストに合わせる。

④ワイン名:ドルチェット・ダルバ DOC  2017  13.5%
メーカー:ヴィエッティ社 カステリオーネ ファレット
産地: ピエモンテ州 
ブドウ品種:ドルチェット 100%
醸造:ランゲ地区の粘土石灰質土壌のぶどうを収穫し、ステンレスタンクで発酵し、MLFも行ない、ステンレスタンクで熟成させる。
特徴:青みがかった赤紫色。赤スグリ、ラズベリーやブルーベリー香り、スミレなどのフローラルな香り、土っぽいようなミネラル。
   味わいは、ソフトな口当たりで、豊かな果実味と優しいタンニン、適度な酸味、後味に苦みで全体的にしまったバランスがとれた辛口赤ワイン。
料理:グリルした野菜、ピッツァ、パニーニに合わせる。

⑤ワイン名:ランゲ・ネッピオーロ 2017  13.5% 
メーカー:フォンタナフレッダ社 
産地:ピエモンテ州
ブドウ品種:ネッビオーロ100%
醸造:石灰岩、泥灰土を多く含むランゲ地方の丘陵にある畑からのブドウをステンレスタンクで7-8日間果皮とともに発酵させ、最低8ヶ月間木樽で熟成の後、2-3ヶ月瓶内熟成。
特徴:チェリーレッドでややガーネット色。ブラックチェリー、スミレ、ドライローズ、ゼラニウム、甘草、シナモン、クローヴ、黒コショウなどのスパイスにカカオの香りで複雑。
   味わいは、優しくエレガントが口当たりで果実味とシルキーで豊富なタンニン、調和のとれた酸味でバランスがとれた骨格のある辛口赤ワイン。
料理:ラグーンソースのパスタや、肉料理、少し熟成がすすんだチーズ。

(文章:瀬戸)

【お料理】

毎回好評のアルケントーレのお食事。

各席に用意してくださった他にも、ビュッフェもあり、ワインに合わせてたっぷり召し上がって頂きました。(写真は一部です)

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次回イベントは、イタリア建国記念パーティー(6月2日)~スパッカナポリにて盛大に行います。

イベントページをご覧ください。是非皆様のご参加お待ちしております。

IVS Japan事務局