5月のLTTは、IVS初めての試みとして和食(寿司懐石)とイタリアワインをテーマに、「銀座壮石」にて開催致しました。
【テーマ】:寿司とイタリアワイン
世界で寿司が流行している?!
確かにニュースなどでよく聞くし、我々が海外へ行った時も寿司屋は多くなってきた気がするし、日本料理屋と名乗るレストランでもメニューに寿司はある。
しかしながら、よくみると寿司ネタは、偏っていてサーモン、マグロがメインで次にエビ、イクラ。。裏巻のXXXXロールやアボガド等の野菜の寿司である。
こはだ、煮ハマグリ、アナゴなどは皆無。まあ、これも寿司。でも今回は、これぞ江戸前寿司で!!
寿司とワインのテーマはよくあり。スパークリングはシャンパーニュではじまり、シャブリ、ムルソーと白ワインがメインでフランスワイン。
壮石ではオーストリアワインと合わせますが、今回は、我々イタリアワイン好きとして、すべてイタリアワインで合わせてみます。
料理とワインの相性について
イタリア語では、アッビナメントといいます。
ワインが持っている香りや味を見極め、料理の香りや味をお互いに高めあうように合わせることで、食事をもっともっと楽しめる至福の時間を演出する。
相性を考える上で、よく言われているセオリーがありますので簡単に紹介します。
★似たものどうしと合わせる(同調させる)!!
・色(スープの色、肉の色)
割と誰でも簡単に理解できるのが、「色合わせ」。素材そのものを味わうような、比較的シンプルな料理の「メイン食
赤ワインなら、たとえば赤身の牛肉、白ワインなら白身の鶏肉やお魚、ロゼワインならピンク色のサーモンといった具合に、同じ色の素材を持ってくる。でも????後から話しますが白に関してはどうでしょう?
・香や風味
ワインには「ハーブの爽やかな香」「ベリーの甘くフルーティな香
例、ワインに「レモンのような風味」を感じたとしたら、お料理にレモンを少し搾ってみる。
「スパイシーな香り」がしたら、黒コショウを利かせる。
・同郷のもの通し合わせる
ワインの生産地とその土地の料理と合わせる。
もともとその風土に合ったものが郷土料理として受け継がれて、その土地に育ったブドウで造るワインと合わせる。
★正反対のものと合わせる
ブルーチーズと甘口ワイン(ヴィンサント)、生ハムとアスティ・スプマンテ。
もう少し言い換えると「足りないものを補い合う」。
料理にない味わいを、ワインが持つ味わいで補う。たとえば、生牡蠣にレモンを搾るような感覚で、酸味のしっかりある白ワインと飲む。
霜降りの牛肉なら、脂っぽさをリセットしてくれるタンニンを持った赤ワインと合わせる。
★順序による
料理のサービス順番が味付けが弱いものから強いものへ
軽いものから重いものへ
同じようにワインも
スパークリング→白(軽い)→白(重い)→赤(軽い)→赤(重い)→デザートワイン
ネガティブな味わいについて
生臭いの分析
私たちが食べている魚の筋肉・内臓・血液には、細菌が繁殖するための栄養源になる「ジメチルアミン」という魚本来の臭い成分が含
そこで料理をする上で、トリメチルアミンを取り除けば生臭さはでない。
トリメチルアミンの特性から以下のような調理方法をすれば生臭さは解消される。
目新しいものは、ありません。
特性として、
「揮発性がある」 それならば火にかけて温度を上げで成分を飛ばす。=加熱調理。
「水に溶けやすい」 それならば、下ごしらえに湯をかける。 =霜降り、油通し
魚介料理とワインと飲むと生臭くなる
その原因は、魚介類にはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)と呼ばれる脂肪酸が、酸化すると過酸化脂質へ変化して、それとワインが持つ鉄イオン「鉄(Ⅱ価)イオン(Fe2+)」が反応すると生臭み成分((E,Z)-2,4-ヘプタジエナール)が
瞬時に発生します。
ワインの中にある鉄イオンが少ないワインを選ぶことをお勧めします。
ただし残念なことに、ワインの裏ラベルにも鉄イオンの表記はありません。
手がかりとしては、ブドウが植えられている土壌が赤色の土でない。砂地や石灰質に植えられたブドウから造られたワインを選ぶ。
また、澱と長く接触していると鉄分は減少するようです。
例として、「瓶内2次発酵をしているワイン」、「シュール・リーしたワイン」
最後に、ワイン自体を酸化させているもの。「鉄(Ⅱ価)イオン(Fe2+)」が「鉄(Ⅲ価)イオン(Fe3+)」になっているもの
例として、シェリー、サルデーニャ島のヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ、ジュラ地方のヴァン・ジョーヌ。
私なりの結論として、相性について書きましたが、その場の雰囲気で一番飲みたいワインを飲むことで料理もさらにおいしくなり食事をこころから楽しむことができると思います。それが一番の相性だと思います。
まあ、合うことには越したことありませんが、合わなくてもそれはそれでいい思い出になり、失敗談のほうが記憶に残っていて場合があるのではないでしょうか。
合うか合わないかは、個人的な趣向になりますので自分なり、今後もイタリアワインで楽しい食事の時間をお過ごしください。
【ワインリスト】
①ワイン名:ヴェルデッキオ ディ カステッリ イエージ 2015 DOC 人気度(10/21名)
メーカー:テッレ ヴェルディ社
産地:マルケ州
ブドウ品種:ヴェルデッキオ 100%
醸造:ブドウ収穫後、ステンレスタンク14日間の発酵。ステンレ
特徴:淡い緑がかったレモンイエロー。柑橘系の果実香で、白い花
味わいは、果実味と伸びやかな酸味、塩味のミネラルで後味にかす
料理:フレッシュグリーンサラダ、魚介料理に合わせる。
②ワイン名:グレコ サンニオ ”カステルフレモンド” 2015 DOC 人気度(13/21名)
メーカー:ラ・グアルディエンセ社
産地:カンパーニア州 サンニオ地区
ブドウ品種:グレコ 100%
醸造:ブドウ収穫後、ステンレスタンクで発酵・熟成・オリ引き・
特徴:レモンイエロー。柑橘系や白桃の果実香、ハーブやフローラ
味わいは、果実味と伸びやかな酸と適度なミネラル、余韻にナッツ
料理:前菜、ピッツァ、チーズ、野菜を使ったスープや白身肉のグ
③ワイン名:フェッラーリ ブリュット NV DOC 人気度(14/21名)
メーカー:フェッラーリ
産地:トレンティーノ・アルトアディジェ州 トレント地区
ブドウ品種:シャルドネ 100%
醸造:ブドウは9月上旬の手摘みで収穫して、温度管理されたステ
トレント周辺の丘陵地帯、ヴァル・ダディジェ、ヴァル・ディ・チ
特徴:きめ細かい泡、緑がかった輝く麦わら色。りんご、黄色の花
味わいは、きれいな酸と熟成を感じる果実味のバランスが取れ、旨
料理:アペリティフ、シーフード、パスタ、料理全般に合わせる
④ワイン名:ソビアンコレッラ イスキア・ビアンコ 2015 DOC 人気度(11/21名)
メーカー:カーサ・ダンブラ社
※在来品種のみを使用し、近代的な醸造設備で高品質なDOCイス
産地:カンパーニア州 イスキア島
※イスキア島は、ナポリ湾最大の島であり、ギリシア時代から続く
現在は、ホテルなどの観光施設の建設のため、現在も徐々にブドウ
ブドウ品種:ビアンコレッラ 100%
醸造:良質のブドウができるとされている南西部の畑のもので低温
特徴:淡いレモンイエロー。柑橘系の香りやオレンジの香りがあり
味わいは、繊細な酸味と塩味のミネラルと火山のようなミネラル感
料理:魚料理、チーズに合わせる。
⑤ワイン名:ロマーニャ・サンジョヴェーゼ 2014 DOC 人気度(5/21名)
メーカー:トレ・モンティ社
産地:エミリア・ロマーニャ州
ブドウ品種:サンジョヴェーゼ 100%
醸造:ブドウを収穫、12日間ステンレスタンクでマセラシオンさ
間。 13.5%
特徴:明るいルビーレッド。フランボワーズ、チェリーの赤系ベリ
味わいはチャーミングな果実味とさわやかな酸味。若々しいタンニ
料理:生ハム、焼き鳥の塩、パスタに合わせる。
(瀬戸)
【お食事】
先付:壮石自家製の胡麻豆腐

止め椀:赤だし汁
皆様ご参加ありがとうございます。皆様よりご希望を頂きましたので、また秋に再度行う予定でございます。お楽しみになさって下さいませ。