2016年10月16日 (日)

10月のLunch Time Tasting レポート

【テーマ】:ヴェネト州のワイン 

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イタリア最大の淡水湖であるガルダ湖を目指す。 その湖の東側にバルドリーノ産地があり、そこは、湖から暖かい風、北側のモンティ・レッシーニ山塊から冷たい風吹く冷涼産地です。 さらに東に向かいアディジェ川を越えるヴァルポリチェッラ産地へ入ります。サンタン・ブロージョ・ヴァルポリチェッラ村のあたりの丘陵地帯がヴァルポリチェッラクラシコ地区です。さらに東に進むと平地のヴァルパンチーナ地区、さらに進むとまた丘陵地帯になり、そこが最近注目を集めている東部ヴァルポリチェッラ地区になります。ヴァルポリチェッラ生産地はかなり広く、その東の端あたりからソアヴェ地区と重なりあっています。 さらに東に行くとソアヴェ村へそこからモンフォルテダルポーネ村までがソアヴェクラシコ地区になり、さらにその先もソアヴェ地区が続きます。 ソアヴェ生産地も広いです。 こんなに生産地が広いといろいろな味わいのワインが出来上がりますので、ご自分の好きなワインを探すのも楽しみですね。

代表的な地域 のワイン
<赤ワイン> 
バルドリーノ:ブドウ品種は、コルヴィーナ種35〜80%、ロンデイネッラ種10〜40%、モリナーラ15%以下            
       土壌は、氷堆石やれき状の小石混じりの石灰質土壌。            赤系の果実にスミレなどの花のアロマをもちフレッシュで 柔らかいタンニンのワイン 
ヴァルポリチェッラ:コルヴィーナ種(コルヴィノーネ種を含むが50%まで)45〜95%、ロンデイネッラ種5〜30%、その他品種を合わせて25%以下 (モリナーラ種は10%まで )        
        土壌は、石灰質土壌,砂岩質土壌。           
       造り方のタイプによって異なる多様なワイン (フレッシュから超熟)。 
<白ワイン> 
ソアヴェ:ガルガネガ種70%以上、トレビアーノ・ディ・ソアヴェ種、ピノ・ビアンコ種、シャルドネ種など合わせて30%まで、その内5%以内でば、ヴェローナ県の白ぶどうも使える。        
     土壌は、石灰質土壌が混ざる火山性土壌(3/4が玄武岩で1/4が石灰)。          
     西側に石灰:カルシウム、フローラルなアロマを持つワイン。        東側に玄武岩(火山岩):鉄分、マグネシウムが多い。柑橘系のアロマでボディもしっかしたワイン                    
     クラシコ地区は中心は、玄武岩土壌 


<スパークリングワイン> 
プロセッコ:グレーラ種85%以上
       ヴェネト州とフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州の9県が生産地 
      2009年ヴィンテージから品種名がプロセッコからグレーラへ名前が変わった。もともとは、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州の町の名前(現存)そこからの移民がヴェネト州のコネリアーノとヴァルドアーネに広がり、 そのままプロセッコと呼んでいたがニューワールド生産地(ブラジルやニューヨークなど)でもプロセッコを造りだしたため である。
もともとのプロセッコ市では、この品種をグレーラ種という名前で呼んでいたのでグレーラ種に。 
イタリアのスパークリングワインの伸び率は凄い。それを牽引しているのはプロセッコである。DOCプロセッコは3億5520万本生産、DOCGコネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコが8370万本、合わせて4億本。凄い!(フランチャコルタも伸びているが、1650万本である)

ヴェネトワインといえば、独特なワインの造り方をしているものがあります。 ①収穫したぶどうを2〜3カ月陰干し成分を凝縮させたものを発酵させて造るワイン。  「アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ(赤)」。   
 ★アマローネは、イタリア語で「苦い」という意味である。 
②ぶどうの搾りカスを混ぜて、再発酵されて造るワインで「リパッソ」と呼ばれている。   
 作り方は、DOCヴァルポリチェッラワインにレチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラ、アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラの「ヴィナッチャ(Vinacce): ぶどうの搾りカス」を入れて再発酵させて造る。 

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今回はインポーター『Cuore Coeur』代表の阿部竜彦さんにご協力頂き、ワインをご案内頂きました。

【ワインリスト】 

①ワイン名:プロセッコ テッレ・ディ・マルカ 2014年 
メーカー:コルヴェッツォ 
産地:ヴェネト州 
ブドウ品種:グレーラ 100% 
醸造:瓶内での発酵後“おり”をそのまま残した瓶内熟成して、おり引きはしない。 10.5% 
特徴:おり引きしていないため白濁した緑がかった淡いレモンイエロー。青リンゴ、シトラス系のアロマとイーストの香り。シルキーな泡がもたらす軽快な口当たりで、酸味が最後まで残り、若干の苦みが全体をしている。
料理:食前酒、魚介料理。

②ワイン名:トラミネール 2014年 
メーカー:コルヴェッツォ 
産地:ヴェネト州 
ブドウ品種:トラミネール・アロマティコ 100% 
醸造:コールドマセレーションをして、香りの引き立つワイン作り。ステンレスタンクで発酵。 12.5% 
特徴:淡い緑がかったレモンイエロー。トラミネール・アロマティコらしく野生のバラやライチ、シナモンの香りで華やかさを感じさせるワイン。 果実味がしっかりあり、塩味のミネラル、苦みも感じられ辛口ワイン。香りとの味わいのギャップが楽しい。 
料理:魚介を使った前菜、魚介のフリットと合う。

③ワイン名:ソアヴェ・クラシコ 2013年 
メーカー:フォルナーロ 
産地:ヴェネト州 
ブドウ品種:ガルガネガ 100% 
醸造:手摘み収穫、小さなステンレスタンクで低温に温度を保ち発酵、ステンレスタンク熟成 13.0% 
特徴:緑がかったレモンイエロー。黄桃、グレープフルーツ、フローラルのアロマ。火山性土壌からのミネラル、塩味も感じる味わい。バランスがとれた骨格のあるワイン。 
料理:魚介料理、リゾット、白身肉料理、中期熟成チーズと合う。

④ワイン名:ヴァリポリチェッラ クラシコ ”フィラグネ” DOC 2014年 
メーカー:ベルタローレ 
産地:ヴェネト州 
ブドウ品種:コルヴィーナ 70%、ロンディネッラ 20%、コルヴィノーネ10% 醸造:手摘み 10月初旬に収穫。マセレーションしながらステンレスで発酵。
特徴:青紫がかったルビーレッド。チェリー、ハーブ等チャーミングな香り。    軽快で透明感のあるフレッシュな果実味で、なめらかな口当たりでジューシーな味わい。 
料理:ピッツァ、生ハム、アジア料理と合う。

⑤ワイン名:ヴァリポリチェッラ クラシコ スーペイオーレ リパッソ ”ベロタローレ” DOC 2013年 
メーカー:ベルタローレ 
産地:ヴェネト州 
ブドウ品種:コルヴィーナ 40%、コルヴィノーネ 30%、ロンディネッラ 20%、ディンダレッラ 5%、クロアティーナ 5% 
醸造:手摘み 10月下旬に収穫。マセレーションしながら発酵後、翌年1月にレチョートとアマローネでリパッソ、4〜5か月ステンレスタンクで熟成後、スロベニアンオークで18か月の熟成。軽い濾過の後バリックで2〜3か月。    更に濾過をして瓶で3〜5ヵ月の間熟成される。
特徴:濃い紫がかったルビーレッド。ダークチェリーのコンポート、ドライローズやシナモン、スパイスの複雑な香り。凝縮した果実味と酸とのバランスがとれた味わい。 
料理:スパイスのきいた料理、ジビエ、と合う。