2026年7月18日 (土)

シチリアのワインNino Barraco② ニーノ・バッラコ

カタラット、グリッロ、ジビッボ、ネロダーヴォラ、ピニャテッロ(ペリコーネ)を栽培し、マルサラ地域のTerritorio(土壌、郷土)とそこで生まれた土着品種を表現したいと2004年に創業。

Angelaさんはオペラ歌手のような通る声で熱く語ってくれました。

ここで紹介するBarracoのワインは新しいラベルです。現在のニーズに合ったアルコール控えめ、酸があってシチリアの海を感じられる幅広い層に親しんでもらいたい。

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1)BIANCAMARE  ビアンカマーレ

元は『Vigna a Mare』の名で親しまれたが、 他社が既に登録済みと分かり変更を要した。2人目の子供の名前 Biancaに因んで付けた。

畑は、ホームページのトップ写真にもあり(写真下)海から30mという近さ、海岸は岩場で道路を渡れば畑、飛び散る海水salsè di acquaを浴びる距離。元々Angelaの家族所有のマルサラの畑で植え直し、99%グリッロの南向きの若い畑です。

2011年、長女誕生を祝って泡を作ることにしたそうで、ブドウはPrematura、酸が高いうちに早期収穫。

ところが、この辺り特有の海藻の香りが太陽光で発酵し始め、炭化水素idrocarburi (ペトロ―ル香)、還元臭のような香りを生み、2年目からはスティルワインへと切り替えた。

早期収穫であるため、11.5%の低アルコールになり非常に豊かなミネラル、酸、フレッシュ感を表現しています。2025年からBIOのSolfitiを添加、気候変化の煽りで、自然酵母の発酵に時間が掛かるなど、ワインを保護する目的で50ml(Bio規定の半量)だけ施すことにしたそうです。

テイスティングは2025年、 2026.3月にボトリングしたばかり。

レモンやヨウドの香り、口に含むとしっかりと酸、ミネラルが海を感じさせ、グリッロ品種の豊かなグリセリンによってまろやかさも交互にリピートされ、最後はミネラル感の余韻が強い。

【NINO BARRACOのホームページ】

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2)ROSAMMARE ロザンマーレ

2024年から黒ブドウNERO D’AVOLAでも始めた。完熟する前に収穫して アルコール度11.5%に抑えています。

ブドウとしてはグリッロより酸が高いため、若いうちはベリー系の赤果実の香りと酸のバランスが面白い。野イチゴのような酸っぱさと熟した甘さが相まって、若いのか熟しているのか分かり難い感覚を覚えます。

ネロダーヴォラのステレオタイプなジャミ―な感覚と異なり、フレッシュ感を際立たせることでアルコール度も低く軽やかなワインに仕上がっている。硬さに偏りを持たせたワインなので好き嫌いはハッキリするでしょう。

アッビナメントはピッツァ、サルミ、ムール貝のトマト入りスープ。脂分を酸が流してくれます。

Nero D'Avoraのステレオタイプなイメージとはかけ離れているため、初めは苦労したそうです。この辺りはビアンキスタ(白ワインが主流)の為、受け入れ難かったのも分かります。 樽を使わずステンレスやセメントタンクを使用するため熟成にはより時間がかかります。

なぜ、ブドウはネロダーヴォラを起用したのか。ピニャテッロはタンニンがあり、早期収穫ではタンニンが熟す前でBarracoの醸造では扱いづらい。

テイスティングは2024年、 後味にも酸の印象が続く、一般的なネロダーヴォラの印象は薄く、海を感じる赤ワインとして面白い。

Barracoでは2022年初めてネロダーヴォラとピニャテッロのブレンドを作ります。

ピニャテッロは歴史的には、酸が強く果実味が強いネロダーヴォラの補助品種でした。ピニャテッロのタンニンがネロダーヴォラの甘味を緩和していったのです。

その昔はピニャテッロは白ワインを琥珀色にしてマルサリスティカ(マルサラ地元好み)の白ワインにする手段としても使用されていた。ピニャテッロ100%のワインは歴史的には存在しなかったのは、おそらく樽や長期マセレーションが必要なことが分かっていたからだろうと。最新のヴィンテージは木樽も使用しています。

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3)Fior Bianco  フィオール・ビアンコ 2025 ✦最新ラベル

このワインは5種類のブドウたちが元気に燥いでいるようなシチリアを感じられる若さ溢れる一本です。

この地域を表現することを目的としたワインで、白品種のブレンド:50%はGrillo,その他は inzolia, cattarratto, Grecanico, 5%未満はZibibbo

『ようやくブドウ畑24haになり海外市場への二―ズに応えられる規模となった。初めはCantina sociale(組合)の醸造所を間借りしていた時代もあり、やっと各品種ごとの研究成果をボトリングして商品化できるようになった訳です。』

このラベル『フィオール・ビアンコ』はシチリアの海を感じるだけでなく、アルコール度12% と控えめ。価格帯も低めに設定しており、若い人たちや、ワインに詳しくない人にもアプローチできる、Barracoにとっても単一品種ではない新しいスタイル。

Zibibbo は5%未満なのにアロマがしっかりと感じられる。『不思議な事にZibibbo100%で造るよりブレンドされた方が強調されるんですよ。』

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とにかく、哲学が原動力の彼らのワイン造りは研究の積み重ねなのです。ですから、ワインの種類(ラベル)が多い。 そしてオリーブオイルも素晴らしかった。この辺りで栽培されるノーチェッラーラ・ベリチェ主体でビアンコリッラのブレンド。ここも高品質で作る為の人手やコストが掛かり、なかなか大変そうでした。

 次の記事では、この地の品種、カタラットとグリッロについて語って頂きました。

グリッロ4種から作られる『ALTOMARE(アルトマーレ)』セミオッシダティーボ(一部酸化)のワインもご紹介いたします。

シチシチリアのワインNino Barraco①- Marsalaにあるマルサラ酒ではない伝統的なワイン

シチリアのワインNino Barraco③ グリッロとカタラット

2026.06 Kyoko LCI